1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455358
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒井 康彦 九州大学, 工学部, 教授 (50005435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 治雄 一関工業高等専門学校, 教授 (40005434)
東 秀憲 九州大学, 工学部, 助手 (40294889)
岩井 芳夫 九州大学, 工学部, 助教授 (80176528)
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Keywords | 臨界点 / 反応速度 / 反応異常 / Diels-Alder反応 / イソプレン / 無水マレイン酸 / 超臨界二酸化炭素 |
Research Abstract |
本年度は、液液系臨界点近傍での反応速度の異常性についての実験的確認ならびに気液系臨界点近傍での反応速度の測定装置の設計・製作を中心に研究を推進した。 (1)ヘキサン+ニトロベンゼンの液液平衡を詳細に測定し、上部臨界温度T_c=293.15Kであり、臨界組成はx_c=0.430であることを確定した。そこで、この臨界温度よりわずかに高い293.88Kにて、ヘキサン濃度を変えて全濃度域にわたり、イソプレンと無水マレイン酸(Diels-Alder反応)の反応速度を測定した。また、ヘキサンの臨界組成(x_c=0.430)を一定にして、臨界温度近傍より高温域(293.88〜308.15K)にわたり、反応速度を測定した。その結果、293.88Kにてヘキサン組成に対して反応速度はゆるやかなS字形を示すものの、臨界点近傍であっても反応速度に促進現象は観察されなかった。これまで、SnyderとEckertにより、臨界点近傍では30〜40%の加速が見られると報告されていたが、本研究の詳細な測定結果より、加速現象は観察されないことが明らかとなった。このことは、臨界点近傍での反応速度の今後の研究において、重要な結論である。 (2)気液系臨界点近傍における反応速度を考察するため、超臨界二酸化炭素中でのイソプレンと無水マレイン酸の反応速度の測定を計画中である。循環式高圧気相反応測定装置を設計・製作し、詳細な実験の実施を計画している。次年度には、具体的な反応速度データが蓄積され、液液系および気液系臨界点近傍での反応速度の比較・考察が可能となる。
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[Publications] Tomotaka NISHIKAWA: "The Reaction Rate of Diels-Alder Reaction of Isoprene with Maleic Anhydride at the Critical Solution Point of Hexane-Nitrobenzene" Proc.of the 10th Symp.Chem.Eng.Taejon/Chungnam-Kyushu. 355-356 (1997)
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[Publications] Tomotaka NISHIKAWA: "Reaction Rate of Diels-Alder Reaction at Critical Solution Point of Hexane-Nitrobenzene Mixture" Proc.of the 1st Sogang-Kyushu Univ.Joint Seminar. 75-78 (1997)