1997 Fiscal Year Annual Research Report
同位体を利用した炭素とNOxの反応機構解明に関する研究
Project/Area Number |
08455369
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
富田 彰 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (80006311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 浩一 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (00292300)
京谷 隆 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (90153238)
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Keywords | 炭素 / N_2O / 反応機構 / 流動層燃焼 / 表面含酸素化合物 |
Research Abstract |
石炭流動層燃焼装置からは比較的高濃度のN_2Oが排出されている。N_2Oは温室効果やオゾン層破壊の原因物質であり、その無害化が急務である。そこで今年度は、流動層内での炭素とN_2Oの反応挙動の基礎的知見を得るために、N_2OおよびO_2の同位体を利用してN_2Oと炭素の気固反応の反応機構を検討した。まず、炭素ーN_2O反応に対する表面含酸素化合物の影響を調べた。その結果、炭素表面上の含酸素化合物の存在は炭素とN_2Oとの反応を促進することが分かった。そこで、この反応促進効果の本質を明らかにするために、^<18>Oでラベルした含酸素化合物をもつ炭素を調製し、N_2Oとの反応に供した。この実験より、含酸素化合物とN_2O分子との直接的な相互作用は少ないことが分かった。したがって含酸化化合物が存在することでN_2Oと反応が促進されたのは、含酸素化合物がCOやCO_2として脱離した直後に残る活性なフリーサイトにN_2Oが反応したためと考えられる。つぎに、炭素ーN_2O反応におけるN_2の生成機構を検討するために、^<14>N_216Oと^<15>N_216Oの混合ガスを用いて反応を行い、その際生成する3種類のN_2の挙動を調べた。反応では^<14>N_2と^<15>N_2が生成したが、^<14>N^<15>Nはほとんど生成しなかった。このことはN_2O分子中のN-N結合の開裂が起こらず、N_2O1分子からN_21分子が脱離したことを示している。以上のことから、炭素上の表面含酸素化合物の存在がN_2Oとの反応を促進するのは、含酸素化合物が脱離することでできた活性なフリーサイトと反応したためであり、その際、大部分のN_2O分子はN-N結合の開裂なしにN_2として脱離することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ph.Chambrion ら: "A Study of the C-NO Reaction by Using Isotopically Labeled C and NO" Fuel. 76(6). 493-498 (1997)
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[Publications] Ph.Chambrion ら: "XPS of Nitrogen-Containing Functional Groups Formed during the C/NO Reaction" Enegry Fuals. 11(3). 681-685 (1997)