1997 Fiscal Year Annual Research Report
イネの水ストレス抵抗性に及ぼす根の形成深度別吸水機能の解明
Project/Area Number |
08456010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲村 達也 京都大学, 農学研究科, 助教授 (00263129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 博視 京都大学, 農学研究科, 助手 (90207738)
大西 政夫 京都大学, 農学研究科, 助手 (80185339)
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Keywords | 水稲 / 耐旱性 / 吸水速度 / 根 |
Research Abstract |
前年のマイクロライシメータを用いた実験結果から、水ストレス後の再給水期間において蒸散要求に対する根系から葉身にいたる組織の透水性に品種間差が認められたので、本年は水ストレス抵抗性程度の異なるイネ6品種(日本晴、戦捷、KDML105、IET1444、IRAT13、Blue Bonnet)について水ストレス条件下で形成された根系における吸水機能を検討した。 実験は1/5000ワグネルポットを用いてイネを水耕栽培し、9〜10葉期にポリエチレングリコールを水耕液に加えることにより水ストレス(0,-0.23,-0.46Mpa)を与えた。処理期間中に伸長した根の先端4cmを採取し、水を充填したポリエチレンチューブ(内径0.8mm)の一端を根の表面に密着させ、根の切断面より減圧(-0.013,-0.033,-0.073Mpa)吸引し、チューブ内の水の減少量から吸水速度を推定した。 実験の結果、(1)水ストレス処理の強度が増すにつれ、戦捷では処理強度にかかわらず吸水速度に変化が認められなかったが、他のほとんどの品種では吸水速度が減少した。 (2)水ストレス抵抗性の大きい品種(KDML105)の吸水速度は、水ストレス処理の強度にかかわらず対照品種(日本晴)に比較して2〜6倍の高い値を示した。 (3)KDML105では、水ストレス処理の強度が大きいほど、より高い吸引負荷において水の通導抵抗が低下することが確認された。
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Research Products
(1 results)