1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08456015
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福嶋 忠昭 山形大学, 農学部, 教授 (90026609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 哲也 山形大学, 農学部, 助教授 (20230013)
池田 道正 山形大学, 農学部, 教授 (20007074)
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Keywords | 脱渋機構 / アルコール脱渋 / 炭酸ガス脱渋 / タンニン |
Research Abstract |
1. 脱渋機構関連 平核無カキ果実をアセトアルデヒド、アルコール、炭酸ガスで脱渋後、そのタンニン粒をメルカプトエタノール塩酸で分解し、液体クロマトグラフで分画した。アセトアルデヒド脱渋果では、ガロカテキンガレート、カテキンガレートにアルデヒド由来のメチン基がついた化合物が多く検出された。一方アルコール、炭酸ガス脱渋果では、これらの化合物はアセトアルデヒド脱渋果の10%以下と少なかった。これらの結果より通常のアルコールや炭酸ガスによる脱渋方法では、アルデヒド重合反応以外の方法で脱渋することが推察された。 カキ果実の80%アルコール抽出液を透析して得られたタンニン溶液を半透膜の袋に入れ、1モル蔗糖液中に浸け脱水すると、タンニンは凝縮して渋味はほとんど消失した。従ってタンニンの脱水凝縮も脱渋に関与すると考えられた。またこのタンニン溶液にアセトアルデヒドを加えるとゲル化するが、ゲル化に要する日数は収穫時期が遅くなるほど長くかかる傾向があった。このことが今年のような軟化先行型の年に由来するものかどうかは、今後の検討課題として残っている。 2. 脱渋促進関連 前述の方法で得られたタンニン溶液を脱水しても、アルデヒドでゲル化しても、その際に溶液を酸性にしておくと脱渋が著しく促進されることから、通常用いられる35%アルコール溶液に5%となるように酢酸を加えると脱渋が促進された。また脱渋困難な愛宕カキを用い、35%アルコール溶液に5%コラーゲンを加えた液を予めヘタから吸わせてから通常のアルコールで脱渋しても脱渋が促進された。これらの方法は実用化が可能と思われ、今後更に検討する予定である。
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