1996 Fiscal Year Annual Research Report
紙および木材のリサイクル処理過程における含有構成成分の挙動解析
Project/Area Number |
08456085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯貝 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40191879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 拡邦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30261960)
松本 雄二 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30183619)
鮫島 正浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30162530)
有馬 孝禮 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10144057)
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Keywords | 古紙 / リサイクル / 脱インキ / 紙 / 木材 / 生物分解性 / 添加剤 / フローテーション |
Research Abstract |
1.紙のリサイクル処理における含有構成成分の分析技術の確立のために、まず、サイズ剤成分(撥水化剤)の定量法の確立を試みた。通常、紙の中には0.1〜2%の微量含まれているために、定量性に課題があった。しかし、紙のサイズ剤の約80%を占めるロジン系サイズ剤については、オンラインメチル化法を用いる熱分ガスクロマトグラフィーにより、精度よく定量できることを見出した。 2.紙中アルミニウム成分は、酸性紙はもちろん、中性紙にも含まれており、このアルミニウム成分のリサイクル処理過程での挙動を把握するため、走査顕微鏡に付属させたエネルギー分散型X線マイクロアナライザーによる定量を検討した。その結果、プラスマイナス5%程度の精度で紙中アルミニウム量が定量できることを見出した。 3.最も一般的な、オフィス古紙(中性紙)のリサイクル処理過程での含有構成成分の挙動を解析するため、コピー面積を50〜100%に設定して、フローテーションによる脱インキ処理や、漂白処理を検討した。その結果、紙中デンプン成分、サイズ剤成分、アルミニウム成分ほとんど除去された。この結果は、これらの成分が、リサイクルのリジェクト成分に移動し、廃棄あるいは燃焼によって処理されており、環境に何らかの負荷を負わせている可能性があるが、更なる調査が必要である。なお、合成高分子からなるコピートナーのバインダイ-成分の除去率は、フローテーション処理後で約80%であり、除去抵抗性が高い。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kitaoka,T.: "Sizing Mechanism of Emulsion Rosin-Alum Systems" Nordic Pulp and Paper Research Journal. 10(4). 253-260 (1995)
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[Publications] Nishiyama,M.: "Structures of Alkenyl Succinic Anhydride(ASA)Components in Sheet" Sen'i Gakkaishi. 52(4). 180-188 (1996)
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[Publications] Nishiyama,M.: "Roles of Reactive Alkenyl Succinic Anhydride(ASA)in Paper Sizing" Sen'i Gakkaishi. 52(4). 189-194 (1996)
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[Publications] Isogai,A.: "Mechanism of Retention of Alkenyl Succinic Anhydride(ASA)on Pulp" Sen'i Gakkaishi. 52(4). 195-201 (1996)
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[Publications] 磯貝 明: "内添サイズ剤の研究動向と将来" 紙パルプ技術タイムス. 39(7). 1-5 (1996)
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[Publications] 磯貝 明: "ウェットエンド添加剤による紙の機能発現機構" 紙パルプの技術. 47(1). 3-12 (1996)
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[Publications] 磯貝 明: "新繊維科学(次世代繊維科学の調査研究委員会編)第5、6章" 財団法人 通商産業調査会出版部, 228 (1995)
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[Publications] 磯貝 明: "エネルギー・資源ハンドブック(上田耕造ら 編)" オーム社, 1369 (1996)