1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08456108
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
小野 征一郎 東京水産大学, 水産学部, 教授 (40017075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 英嗣 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (80172972)
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Keywords | 配合飼料 / 生エサ / ミール / 加工残滓 / マイワシ |
Research Abstract |
1.ハマチ・ブリおよびタイの養殖主産地である鹿児島県錦江湾ならびに東町、長崎県、九州における養殖生産物の集散地である福岡市場、もう一つの主産地である愛媛県において、生エサから配合飼料へ転換過程をヒアリングにより実態調査を試みた。 2.日本のミール生産量(身粕・荒粕を含む)は、88年に100万トンを割りこんで以来、主原料であるマイワシの漁獲量減少により、毎年減少している。97年の生産量は35万トンを切ったと推定される。 3.エルニーニョの長期化予想により、ミール供給に先行き不安が予想される。さらに大豆粕・小麦粉・魚油などの副原料も値上がりしているため、配合飼料メーカーは価格改定に踏み切る予定である。値上げ幅は製品ベースでトン1万円前後と見られる。 4.日本国内で稼働するミール工場は60社程度と思われ、年間を通じて稼働する工場は水産加工残滓・都市残滓を扱う工場に限られる。長崎漁港水産加工団地協同組合は加工残滓で製造した養殖用餌料の有効性を実証した。 鮮度の落ちた加工残滓で製造する餌料は、脂肪分の劣化のため魚類養殖の餌料には不適とされてきたが、ミールを発酵させることにより劣化物質の無毒化に成功した。これまで畜産の飼料に向けられていた加工残滓が魚類養殖にも有効であることが証明され、マイワシの急減、円安、世界的な需要拡大に伴うミール価格の高騰のなかで、今後の動向が注目される。
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Research Products
(1 results)