1997 Fiscal Year Annual Research Report
WTO体制下畜産物の国際流通と価格形成に関する経済的研究
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08456109
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉山 道雄 岐阜大学, 農学部, 教授 (40021696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永木 正和 筑波大学, 農林学系, 教授 (90003144)
荒幡 克己 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90293547)
有本 信昭 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (40115390)
小栗 克之 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (20233497)
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Keywords | フードシステム / 銘柄畜産物 / 銘柄浮上型 / 銘柄沈下型 / 銘柄変名型 / 銘柄貫通型 / 原産地表示 / 垂直的統合 |
Research Abstract |
昨年度鶏卵フードシステムに係わるG.Pセンター、外食産業、及び食品製造業における鶏卵利用の実態を明らかにした論文はII、の研究発表に示すとおりである。本年度は畜産物がどのように銘柄化され、フードシステムの上流から下流に行くにつれてどう変化するかを鶏卵(206)、鶏肉(120)、豚肉(159)、牛肉(160)、鶏卵消費者(850)について計1,495件のアンケート調査を実施し分析した。以下の5点は研究成果である。(1)WTO体制下輸入農産物の拡大の中で国産農産物は銘柄化で対応している。(2)鶏卵における銘柄化主体は主として川上型、鶏肉は川中型(加工業者)、豚肉・牛肉は川下型が多い。(3)銘柄畜産物は、地場型、地域型、全国型、さらにグローバル型に区分される。(4)フードシステムの流れにおいて、上流部の銘柄が川下のスーパーまで同一名で流れるものを貫通型(Straight type型)、途中で変名するものを変名型(Name charge型)、沈下するものを沈下型(Price down型)、浮上するものを浮上型(Price up型)、低位で移行するものを通常型(Ordinal型)の5つのタイプに分類し、各農産物を調査した。(5)これらの状況について、消費者はどう考えているか、主として、安心、安全の銘柄を求め、原産地表示を求めている。 これらの動向の対して、諸輸出国型フードシステムをとるアメリカの垂直統合型を牛肉パッカーのインテグレーション、オーストラリア、ニュージランドの海外輸出型ボードシステム(オセアニアにおける輸出戦略)、カナダの国内需給型ボードシステムを検討したが、日本や韓国などの輸入国型フードシステムの構造が課題であり、フランスの赤ラベルシステムなど消費者を中心とした輸入国型システムの構築が課題である。 このフードシステムにおける価格形成を鶏卵を例として、アメリカにおける卵価形成を検討した。
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[Publications] 杉山 道雄: "食品製造業における殻付卵及び加工卵利用の実態" 岐阜大農研報. 62. 75-84 (1997)
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[Publications] 小栗 克之 他: "G.Pセンターにおける加工卵製造と今後の展望" 岐阜大農研報. 62. 65-73 (1997)
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[Publications] 荒幡 克己 他: "外食産業における殻付卵及び加工卵利用" 岐阜大農研報. 62. 85-93 (1997)
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[Publications] A.イダマルゴダ: "Chicken meat Production and Marketing in the Asian Country" 日本家禽学会誌. 35-1. 9-18 (1997)
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[Publications] レーンダニエル ジェイムズ: "WTO体制下豪州産牛肉産業の販売戦略" 岐阜大農研報. 62. 57-63 (1997)
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[Publications] 杉山 道雄: "畜産物ブランドの沈下浮上変名現象" 畜産の研究. 52-2. 1-2 (1998)
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[Publications] 杉山 道雄: "養鶏経営-「畜産総合辞典」" 朝倉書店, 6 (1997)
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[Publications] 杉山 道雄: "鶏の経営-「畜産総合辞典」" 朝倉書店, 4 (1997)