1996 Fiscal Year Annual Research Report
画像電子化技術を用いた工業用繊維曝露集団の胸部X線写真の経時的変化の検出
Project/Area Number |
08457141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
東 敏昭 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (10119000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八幡 勝也 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (10248594)
織田 進 産業医科大学, 医学部, 教授 (80035237)
津田 徹 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (60207389)
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Keywords | 医療画像 / 工業用繊維 / 医療情報 / 画像処理 / 石綿 |
Research Abstract |
当研究において本年度に得られた研究成果について報告する。 1デジタル画像処理 じん肺をはじめとする職業性肺疾患の管理のために行なわれている検診で撮影したアナログ胸部X線写真をLaser Film Digitizer を用いデジタル化処理をおこなった。階調度12bitで約8MB/枚の画像(非圧縮)に変換することができ、コンピュータ上での転送・保存が可能にした。 2胸部X線写真の収集 日本石綿協会に所属する企業の石綿取扱い作業従事者の胸部X線写真を収集、上記処理を行った。経時的変化を比較するため、作業従事開始時および最近のX線写真を中心に、またこの間についても可能な限り収集・処理した。 3画像情報の保存 個人別・経時的にデータベースとして保存され、必要に応じて即座に画面に出力することができた(従来のX線フィルムの場合の検索・搬出に比較し時間・費用・保存場所の確保の大幅な削減が可能)。保存は医療情報において標準的なIS&Cを用いており、汎用かつ安全に保存が可能である。 4判定結果の比較検討 画像情報に加え、職歴・曝露状況・健診機関での判定結果などを統合的にみられるように設定し、従来の検診で行われていた方法と比較してみた。比較に際しては複数の医師でこれをおこなった。 i)胸部X線写真フィルとディスプレイ画像での読影 適切なガンマ値の補正を行うことで、ディスプレイ画像とフィルム画像との判定の差は認められなくなった。 ii)時系列的な読影 画像を保存・データベース化(検索・出力)することで個人の画像を時系列的にディスプレイ上で並列し比較することができた。 5X線フィルムの画像電子化の今後の展望 高価なワークステーションでなくても、比較的安価なパーソナルコンピュータで同様の処理・検討が遜色なく行えた。画像処理の標準化・ルーチン化が組み合わせてできるようになれば、産業保健現場での運用は十分可能であることが考えられる。
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Research Products
(2 results)