1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457144
|
Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
奥野 良信 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, ウイルス課長 (30112064)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 直子 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (10280835)
山崎 謙治 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (60159209)
前田 章子 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (40250279)
|
Keywords | 予防接種 / ワクチン / 副反応 / ウイルス / アレルギー |
Research Abstract |
予防接種後に起こる副反応を、ワクチン主成分による副反応及び紛れ込み事故と、ワクチン添加物によるアレルギー反応に分けて調査研究を行った。 (1)ワクチン主成分による副反応及び紛れ込み事故調査研究 平成6年5月から平成9年12月までの間に、予防接種後に何らかの臨床症状を示し、原因調査のために大阪府立公衆衛生研究所ウイルス課に検査依頼があったのは25件であった。内訳は、ムンプスワクチンが17件、日本脳炎ワクチンが3件、麻疹ワクチンが2件、風疹ワクチンが2件、ポリオワクチンが1件であった。ムンプスワクチン接種後に髄膜炎症状を示した17症例中、9例からムンプスウイルスが分離されたが、これらはすべてワクチン株であった。それ以外では、麻疹ワクチン接種後に強い麻疹様症状を示した例があったが、この検体より麻疹ウイルスが分離された。このウイルスの遺伝子配列を解析し、野外株であることが証明された。予防接種後に起こる臨床症状は、ワクチンそのものによる副反応だけでなく、他の原因が紛れ込んでくるので、ウイルス検査等でその原因を明らかにすることが重要であると思われた。 (2)ワクチン接種後のアレルギー反応調査研究 大阪大学医学部付属病院小児科ワクチン外来を受信したアレルギー疾患児、151名に対し、ワクチン接種前に、ワクチンに含まれる成分(ゼラチン、チメロサール等)とワクチン液に対する皮内テストとプリックテストを行った。生ワクチン及びDPT皮内テスト陽性率は13.3%〜25.5%であり、このうち強陽性率は7.1%〜13.3%であった。ワクチン成分別では、ゼラチンが主なアレルギーの原因であったが、それ以外のチメロサールなどにも陽性を示す者がいた。ゼラチンなどのアレルゲンを含まないワクチンの開発が望まれる。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Minoru Ueda: "Application of subtiype-specific monoclonal antibodies for ropid detection and identification of influenga A and B viruses" Journal of Clinical Microbiology. 36. 340-344 (1998)
-
[Publications] 植田 稔: "インフルエンザの新しい診断法" 日本胸部臨床. 56. 116-121 (1997)
-
[Publications] 奥野良信: "感染症の脅威「狂犬病」" 総合臨床. 46. 1594-1596 (1997)
-
[Publications] 圀分寺 美: "乳児を介したA型肝炎ウイルスの伝播様式-乳児院における集団発生-" 臨床とウイルス. 25. 37-42 (1997)
-
[Publications] Kenji Yamazaki: "I.Reverse transcription-polymerase chain reaction and sequence analysis of small round-structured viruses in Japan." Archives of Virology. 12. 271-276 (1996)
-
[Publications] 前田章子: "モノクロナール抗体を利用したインフルエンザの迅速診断" INNERVISION. 11. 45- (1996)