1997 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータ画像解析を用いたアルツハイマー病脳の組織計測的研究
Project/Area Number |
08457249
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三好 功峰 京都大学, 医学研究科, 教授 (10068447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 一幸 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00268541)
丸井 規博 京都大学, 医学研究科, 助手 (90199919)
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Keywords | アルツハイマー病 / 老人斑 / アミロイド沈着 / 画像解析 |
Research Abstract |
本年度は、前年度の神経原線維変化の検討に引き続き、アルツハイマー病の皮質下灰白質におけるβアミロイドの蓄積と神経細胞の脱落の状況を画像解析により数量化して検討した。アルツハイマー病(AD)脳7例、対照例5例において、所定の部位の10ミクロン厚の連続切片を作成し、Gallyas-Nissl染色と、抗アミロイドβ蛋白免疫染色標本を作成し、100倍顕微鏡画像としてComputer Image Analyzerに取り込んで2値化画像を決定し面積を計測した。皮質下灰白質においては、すくなくとも全面積の30%以上の部位を計測し、老人斑が当該する組織に占める割合(出現率)を決定した。神経細胞の減少率は、マイネルト核58.4%、淡蒼球8.5%、尾状核12.0%、被殻3.2%、乳頭体20.3%、全視床核24.6%、視床下核10.5%、黒質27.1%、青斑核53.7%であり、βアミロイド蓄積による老人斑の出現率は、前障2.18%、マイネルト核1.68%、淡蒼球0.54%、尾状核2.10%、被殻2.09%、視床内側核1.69%、視床外側核1.00%、視床前核0.81%、視床下核0.32%、赤核0.39%、黒質0.78%、青斑核0.55%であった。び慢性老人斑を含めた老人斑の数量的な計測は画像解析を用いることにより始めて可能とったが、老人斑の出現しやすい部位には一定の傾向があり、被殻、前障、視床内側核などに多数出現するが、神経細胞の脱落の程度とは、神経原線維変化の場合のようには、平行しないことが明らかになつた。これらのことからアルツハイマー病では、大脳皮質におけるのと同様、皮質下においても、神経細胞の減少は、神経原線維変化の出現頻度と平行し、老人斑とは、平行しないことが明らかにされた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Takauchi S, Ohara K, Miyoshi K, et al.: "Synaptic degeneration in rat brain induced by intraventricular infusion of a protease inhibitor,leupeptin." Brain pathology. 7. 1346-1347 (1997)
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[Publications] 大原一幸, 三好功峰 他: "プロテアーゼ阻害ラットにおけるシナプス変性の組織計測的検討" Neuropathology. 17,suppl.227-228 (1997)
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[Publications] Ohara K, Miyoshi K: "A morphometric study of subcortical neurofibrillary tangles in Alzheimer's disease." Neuropathology. 16-2. 231-238 (1996)
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[Publications] Ueki A, Miyoshi K: "Hitological evidence for cholinergic alteration in the hippocampus following entorhinal cortex lesion." J.Neurol.Sci.142-1. 14-21 (1996)
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[Publications] Matsumura Y, Miyoshi K: "Japanese siblings with missense mutation (717 VAl-Ile) in amyloid precursor protein of early-onset Alzheimer's disease." Neurology. 46-11. 1721-1723 (1996)
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[Publications] 大原一幸, 三好功峰: "アルツハイマー病の皮質下灰白質における老人斑の出現率について" Neuropathology. 16. 23-25 (1996)
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[Publications] 三好功峰: "老年期の痴呆性疾患" 医学書院, 250 (1998)
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[Publications] 三好功峰: "Alzheimer病,臨床精神医学講座10巻,器質・症状性精神障害(三好功峰、黒田重利 編)" 中山書店, 87-105 (1997)