1996 Fiscal Year Annual Research Report
PETを用いたヒトのレム睡眠時の夢見体験に関連した神経回路網の解明
Project/Area Number |
08457255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
大川 匡子 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・生理部長 (80160430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 直 東京都精神医学総合研究所, 主任研究員 (00261181)
梶村 尚史 国立精神, 神経センター, 精神生理部研究員 (70204394)
内山 真 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・精神機能研究室, 室長 (20221111)
高山 豊 国立精神, 神経センター・神経研究所・診断研究部, 研究員 (80250223)
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Keywords | ホジトロンエミッショントモグラフィー / レム睡眠 / 夢 / 睡眠ポリグラフ |
Research Abstract |
本研究では、超短時間放射性同位元素でラベルされた水を用いることで安全に繰り返しPETイメージを得るとともに、最新の画像処理技術を駆使して国立精神・神経センターの超高解像度PETで得られた脳の機能画像を三次元的に再構成し、レム睡眠中の機能状態を覚醒時およびノンレム睡眠との比較から各皮質野の活動として特徴抽出し、レム睡眠における視覚連合野および記憶領野の動態をを明らかにする。同時測定した睡眠ポリグラフ記録から、PETイメージに反映された時間(約30秒)の眼球運動数(夢見と強く関連する)と関心領野の賦活度を定量的に解析し夢見に関与した神経回路網を明らかにする。 1)超高解像度PET装置(国立精神・神経センター武蔵病院に平成7年に設置)のベット上で被験者を安定して眠らせるため、放射性物質を用いた実験と同じ条件で放射性物質を用いず、健康若年男性5名に対し予備実験を行った。すなわち、脳波電極、動脈ライン及び静脈ラインを確保した状態でPET装置のベットで終夜睡眠ポリグラフ記録を行った。この結果、前日に全断眠し、22時からの3時間のうちにノンレム睡眠のイメージをとり、その後5時まで終夜睡眠ポリグラフを観察しながら選択的レム断眠を行い、5時から7時までの間にレム睡眠中の画像を得る方法を確立した。 2)この睡眠操作法を用い、健康成人5例に対して睡眠ポリグラフ同時記録による超短時間放射性酸素でラベルした水による睡眠中のPETによる脳血流測定を行った。生理学的データはすべて多チェンネルデジタルデータレコーダーに記録し保存した。この睡眠操作法により60%〜70%の成功率でターゲットとした画像採取ができた。得られた画像のSPMによる定量解析を進めているが、現在のところ定性的画像では、レム睡眠中に橋網様体、後頭葉、及び側頭葉の血流が上昇することが確認された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Okawa M,Shirakawa S,Uchiyama M,et al.: "Seasonal variation of mood and behaviour in a healthy middle-aged population in Japan." Acta Psychiatr Scand. 94. 211-216 (1996)
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[Publications] Uchiyama M,Okawa M,Ozaki S,et al.: "Delayed phase jumps of sleep onset in a patient with non-24-hour sleep-wake-syndrome" Sleep. 19. 637-640 (1996)
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[Publications] Sato K,Kamiya S,Okawa M: "On the EEG component waves of muiti-mfaret dementia seniles." Int J Neuroscience. 86. 95-109 (1996)
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[Publications] Mishima K,Okawa M,et al.: "Different Manifestations of Alzheimer's Type and Multi-Infarct Dementia" Neurobiology of Aging. 18. 105-109 (1996)
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[Publications] Hozumi S,Hori H,Okawa M,et al.: "Favorable effect of transcranial electrostimulation on behavior disorders in elderly patients with dementia : a double-blind study." Int J Neuroscience. 88. 1-10 (1996)
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[Publications] Yamadera H,Okawa M,et al: "A multicenter study of sleep-wake rhythem disorders : Clinical features of sleep-wake rhythem disorders" Psychiatry and Clinical Neurosciences. 50. 195-201 (1996)
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[Publications] 大川匡子(共著): "健康づくり百科-からだと生活と環境" (財)群馬健康医学会振興会編,煥乎堂, 251 (1996)