1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457390
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井形 高明 徳島大学, 医学部, 教授 (80108860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 真介 徳島大学, 医学部, 講師 (30243687)
福井 義浩 徳島大学, 医学部, 教授 (50144168)
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Keywords | 脊髄損傷 / 酸化ストレス / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
ラットの胸髄に対しての重錘圧迫法による実験的脊髄損傷を用い、二次的脊髄障害の発生機序の検討を行なうと同時に、活性酸素消去剤の投与法を検討した。 二次的脊髄障害の発生機序の研究では、前回の研究で誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の神経障害性作用が脊髄損傷後にも重要な役割を果たしていることが示された。遅発生の細胞死であるアポトーシスとiNOSの関連が脳の虚血性障害などで示されているが、今回の研究で脊髄損傷後にアポトーシスが誘導されることを、電気泳動でDNAのfragmentationが起こっていることで明かにし、さらに組織学的にも確認した。また、酸化ストレスとの関連では、前回の研究で実験的に二次的脊髄障害と好中球の関連を明かにしたが、今回臨床例において、白血球数の増多と神経症状の増悪の関連性を示唆する結果を得た。実験的には、Superoxide Dismutase(SOD)は従来、虚血性脊髄障害の虚血前投与によりその効果が報告されているのみであった。今回、組織親和性と生体内半減期を改善することにより、生体内でのより強い抗酸化作用が期待できるレシチン化SODの有効性を脊髄損傷後の投与で検討した。その結果、運動学的により良好な改善が得られ、その機序として、好中球の侵潤、脊髄血流減少、脊髄浮腫の抑制効果などが示された。 今後、酸化ストレスと一酸化窒素の関連、それぞれの阻害物質の有効性とその投与法を検討し、再生実験に応用していく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Katoh S.Ikata T,et al.: "Possible implication of leukocyte on the secondary pathological changes after spinal cord injury" Injury.(印刷中).
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[Publications] Katoh S,et al.: "Neurological outcome in conservatively treated patients with incomplete closed traumatic cervical spinal cord injuries." Spine. 21巻. 2345-2351 (1996)
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[Publications] Katoh S,Shingu H,Iketa T,Iwatsubo E.: "Sports-related spinal cord injury in Japan.From the nationwide spinal cord injury registry between 1990 and 1992." Spinal Cord. 34巻. 416-421 (1996)
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[Publications] Nakauchi K,Ikata T, Katoh S,et al.: "Effects of lecithinized superoxide dismutase on rat spinal cord injury." J Neurotrauma. 13巻. 573-582 (1996)
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[Publications] Katoh K,Ikata T,et al.: "Induction and its spread of apoptosis in rat spinal cord after mechanical trauma." Neurosicence Letters. 216巻. 9-12