1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトおよびブタ顎関節におけるプロテオグリカンの生化学的分析
Project/Area Number |
08457543
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木野 孔司 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80143585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 欣章 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (40262208)
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Keywords | プロテオグリカン / グリコサミノグリカン / コアタンパク / モノクローナル抗体 / 関節円板 |
Research Abstract |
顎関節各組織の主要構成非コラーゲン性タンパクであるプロテオグリカンをブタ関節円板、円板後部組織、下顎頭線維層および腱組織を用いて生化学的に比較検討した。 プロテオグリカンは各組織より4Mグアニジンを用いて抽出し、イオン交換クロマトグラフィーにて部分精製した。部分精製したプロテオグリカンはプロナーゼEを用いてコアタンパクを消化し、グリコサミノグリカンをセルロースアセテート膜電気泳動を用いて検索した。次に、コンドロイチナーゼABCあるいはAC IIを用いてグリコサミノグリカンを消化し、残ったコアタンパクをウエスタンブロット法によって検索した。以下にその結果を示す。 1.関節円板にふくまれるグリコサミノグリカンは、デルマタン硫酸が主成分で91.4%、コンドロイチン硫酸が5.8%、ヒアルロン酸が2.8%であった。円板後部組織に含まれるグリコサミノグリカンもデルマタン硫酸が主成分で89.5%、コンドロイチン硫酸が10.5%であった。下顎線維層ではヒアルロン酸が主成分で61.6%、デルマタン硫酸が32.6%、コンドロイチン硫酸が5.8%であった。またデルマタン硫酸/コンドロイチン硫酸値の比較では関節円板では15.7、円板後部組織は8.5と関節円板の半分の値で、腱組織(9.3)とほぼ同じであった。下顎頭線維層では5.6とさらに小さい値を示した。またプロテオグリカンは関節円板、円板後部組織および下顎頭線維層ともに高分子型プロテオグリカンと2種類の低分子型プロテオグリカンを認めた。 2.モノクローナル抗体を用いたウエスタンブロット法より、高分子型プロテオグリカンはアグリカンと類似していた。また低分子型プロテオグリカンはデコリン、およびビグリカンと類似するものであった。
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