1996 Fiscal Year Annual Research Report
In situ PCR法の口腔軟組織疾患診断への応用
Project/Area Number |
08457562
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小口 春久 北海道大学, 歯学部, 教授 (30124689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 俊博 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60261319)
工藤 真幸 北海道大学, 歯学部, 助手 (10164500)
白川 哲夫 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00187527)
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Keywords | PCR / in situ hybridization / HSV-1 / 一酸化窒素(NO) / 一酸化窒素合成酵素(NOS) |
Research Abstract |
本学歯学部附属病院に来院した患者のうち、歯肉や口腔粘膜にウイルス感染が疑われる患者について、本人の同意を得て唾液ならびに粘膜上皮組織を採取した。従来のPCR法により唾液中にHSV-1が存在するか否かを検索したところ、約25%が陽性と診断された。同様に、被験者より採取した口腔軟組織標本(パラフィン包埋組織切片あるいは塗末標本)を用いて、まず抗HSV-1抗体による免疫組織染色を行ったところ、組織染色にてHSV-1の存在が確認された症例の50%以上において唾液中のHSV-1も陽性であった。また、in situ PCR法の前段階としてPCRによるウイルスDNAの増幅を行わずにin situ ハイブリダイゼーションを行い、ウイルスシグナルの可視化の限界について検討した。ホルマリン固定後パラフィン包埋し、薄切した歯肉組織についてin situハイブリダイゼーションを行ったところ、何らかの炎症性病変を認めた部位では、PCRを行わない場合でも明瞭なシグナルの検出が可能であった。ウイルスのシグナルは主として潰瘍部とその周囲の上皮組織に限局しており、結合組織への波及は軽度であった。in situハイブリダイゼーションにはビオチン標識プローブを用い、ストレプトアビジン結合HRPと反応させたのちDABにて発色させた。その際、ビオチン-チラミドによる増感法をテストしたところ良好な結果が得られ、in situ PCR法によるウイルスの高感度検出法とともに利用価値の高い方法であることが明らかとなった。なお、ウイルスの増殖に関連して、フリーラジカルの一種である一酸化窒素(NO)が産生されることが知られている。本研究ではウイルスに対する生体の反応生の指標として、組織中のNOおよびその合成酵素であるNOSの誘導に着目し、現在培養条件下で歯肉線維芽細胞のNO産生能を測定中である。
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Research Products
(1 results)