1997 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトウェア工学実験環境における統合観測システムに関する研究
Project/Area Number |
08458070
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology (NAIST) |
Principal Investigator |
鳥居 宏次 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10172222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 元 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学センター, 助教授 (20232126)
松本 健一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (70219492)
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Keywords | 実験的ソフトウェア工学 / マルチメディア計測 / ソフトウェアプロセス / ソフトウェア保守 / ネットワーク / シミュレーション / ソフトウェアデバッグ |
Research Abstract |
本研究の目的は, ・ソフトウェア工学実験環境で用いられる代表的な観測装置の統合 ・統合された装置による多面的な事象観測と分析を支援するシステムを設計と試作 にある.本年度は,前年度までの研究成果に基づき,観測データの視覚表現技術の確立を目指して (1)観測データの可視化機能の設計と実装 (2)観測データの同期再生機能の設計と実装 (3)試作システムの実験的評価 の3点を行う予定であった.これに対応する実績は次の通りである. (1)(2)に対しては,行動履歴データにおいて,特徴的な行動が現れた場面や,特定の定式化されたパターンが現れた場面を検索するシステムを構築した.構築したシステムでは,行動履歴データの時間変化をグラフ表示し,データの値や時間変化のパターンに基づいて,特定の開発行動の時刻を同定することが可能である.プログラムのデバッグ作業に本システムを適用した結果,「次に成すべき作業が分からずに悩んでいる」という開発行動の発生を8ヶ所中6ヶ所まで容易に検索することができた. (3)に対しては,試作システムに視聴覚装置や視線追跡装置などを接続してソフトウェア開発作業の様子を観察し,バグを発見するまでのプロセスを分析した.実験の結果,注視点の移動や発話の記録などの,複数の種類のデータを同時に収集し分析することが被験者の意図の追跡に有効であることがわかった.更に,バグの発見に影響すると思われるプロセスの特徴をいくつか確認した.
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[Publications] 花川 典子 他: "オブジェクト指向開発プロセス生成システムの開発と評価" ソフトウェアシンポジウム'97論文集,. 176-185 (1997)
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[Publications] 菅原 千穂子 他: "ユーザビリティ評価実験のデザインに関する考察" 情報処理学会研究報告,ヒューマンインターフェース. 75-4. 19-24 (1997)
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[Publications] 森崎 他: "作業習熟を考慮したソフトウェア作業進捗モデル" 第4回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE'97),. 75-82 (1997)
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[Publications] M.Sakai et al.: "A new tramework for improving software development process on small computer systems" Int'l Journal of Software Engineering and Knowledge Engineering,. 7. 171-184 (1997)
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[Publications] 松下 誠 他: "Webを用いたソフトウェア開発環境のためのプロセスモデリング" 情報処理学会論文誌. 39. 830-832 (1998)