1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08458123
|
Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松田 仁樹 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (80115633)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 藤雄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70109312)
板谷 義紀 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50176278)
|
Keywords | 化学ヒートパイプ / 化学ヒートポンプ / 冷熱生成 / 熱輸送 / 混合熱 |
Research Abstract |
混合による冷熱発生とその輸送技術を確立することを目的として、固・液系および液・液系の2系について、1)熱力学的データに基づく種々の化学種の固・液、液・液の組合せの検討、2)各組合せごとの回分式断熱混合器による冷熱の発生量とその温度レベルの実験的検討、3)冷熱蓄熱を想定した混合物の分離法の検討および4) 1)-3)の結果に基づく本系の冷熱輸送技術への適用性の検討を行った。その結果、1)では、固・液系の組合せとして尿素/水,硝酸アンモニウム/水の各系が,液・液ではイソブタノール/アセトニトリル、1-ブタノール/アセトニトリル系が熱発生量として大きく、最適であること、2)1)の各系では,混合によって速やかに冷熱が発生し、固・液系、液・液系で最大8.16kW・kg^<-1>および0.84kW・kg^<-1>の冷熱出力が得られること、ならびに環境温度条件下で13ー26°Cの温度降下があること、を認め、検討の2成分系が混合による冷熱発生に有効であることがわかった。さらに、蓄熱を対象とする混合物の分離・再生に,固・液系では尿素/水系について乾燥法、液・液系では蒸留法を採用できるものとし、前者では幅射加熱炉を用いる感想実験、後者ではCHEMCADによる蒸留計算を行い、いずれも353K程度の熱源による蓄熱が可能であることを認めた。また、これらの基礎的データに基づいて混合による冷熱発生・輸送のシステム概念を構築し、その効率について検討を行った結果、本法が環境温度域の熱源利用型熱エネルギー交換・輸送システムとして機能することが明らかになった。
|