1998 Fiscal Year Annual Research Report
二分割炉心を用いた原子炉の領域振動に関する核的基礎研究
Project/Area Number |
08458126
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
代谷 誠治 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (80027474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 正俊 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20027444)
小林 圭二 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30027445)
宇根崎 博信 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40213467)
三澤 毅 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (70219616)
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Keywords | 領域振動 / 大型原子炉 / 京都大学臨界集合体実験装置 / 二分割炉心 / 光ファイバー検出器 / 固有値間隔 / 中性子束 / 核計算 |
Research Abstract |
大型の原子炉において発生する出力振動の内、いわゆる領域振動に関する核的なメカニズムを解明するため、京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)に大型炉と同程度の空間結合係数を持つ二分割炉心を構成し、炉心間の距離を系統的に変化させながら、一方の炉心に制御棒で外乱を加えて空間結合係数に依存した中性子束分布及び中性子束の時間的、空間的変化を測定した。中性子束分布の測定にはシンチレータ塗布・光ファイバー検出器を使用し、中性子束の時間的・空間的変化の測定には反射体領域に配置した複数のBF_3検出器及び原子炉起動系の核分裂計数管と4入力のマルチチャンネルスケーラを組み合わせて使用した。二分割炉心間の距離を変化させたときの空間結合係数は、ファインマンα法、制御棒落下法、中性子束歪み法の3種類を用いて固有値間隔を測定することによって求め、これらの値が測定誤差の範囲で一致することを確かめた。核計算コードを用いて固有値間隔を求め、これらの実験値と比較検討した。.その結果、固有値間隔の計算においては、1)特に小型炉心で顕著となる輸送効果の影響が大きいので、拡散計算よりも輸送計算の方が遥かに精度がよくなること、2)1次モードの計算は基本モードの計算に比べて、3次元効果、エネルギー群縮約効果、輸送効果の影響を受けやすく、空間メッシュ効果の影響は受けにくいが、全体としては補正量が大きくなるので注意を要することなど貴重な知見が得られた。なお、中性子束歪みの計算に高次摂動理論を適用する試みや、中性子束変化が一方の炉心から他方の炉心に伝わる伝達時間を測定して直接的に動特性に関する情報を得ようとする試みが行われたが、現在のところ、必ずしも十分な成果が得られる状況には至っていない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] C.H.Pyeon, Y.Yamane, T.Misawa, S.Shiroya: "Development of Higher Order Perturbation Calculation-Code" KURRI Progress Report 1997. 75 (1998)
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[Publications] S.Shiroya, T.Misawa, H.Une-saki, K.Kobayashi, H.Hayashi: "Neutronics Study on Regional Oscillation in Nuclear Reactor by Using Coupled Core System in the KUCA(II)" KURRI Progress Report 1997. 78 (1998)
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[Publications] C.H.Pyeon, Y.Yamane, T.Misawa, S.Shiroya: "Modified Explicit Higher Order Perturbation Method with Two Energy Groups" Annals of Nuclear Energy. 26. 833-844 (1998)