1996 Fiscal Year Annual Research Report
制動X腺計測法による固体中トリチウムの測定・評価技術の開発
Project/Area Number |
08458131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松山 政夫 富山大学, 水素同位体機能研究センター, 教授 (90135004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舒 衛民 富山大学, 水素同位体機能研究センター, 助教授 (80253508)
芦田 完 富山大学, 水素同位体機能研究センター, 助教授 (70192953)
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Keywords | トリチウム / 制動X線 / インベントリ- / 濃度分布 / 非破壊測定 / シミュレーション / ポリマー材料 |
Research Abstract |
核融合炉で燃料として使用されるトリチウムの一部は、第一壁を初めとする炉壁材料及び燃料循環システムの配管材料等に吸着・溶解・拡散する。プラズマの安定性、炉の安全性及び燃料の有効利用の観点から、これらの材料に対するトリチウムインベントリ-の低減化対策に関する技術の開発研究が必須であり、固体中のトリチウム量及びその濃度分布を非破壊且つin-situに測定するための技術を確立する必要がある。この様な観点より本研究は、 (1)固体中のトリチウム量及び濃度分布と制動X腺スペクトルとの関係、 (2)シミュレーションスペクトルと実測スペクトルとの関係 等を検討し、「制動X線計測法による固体中トリチウムの測定・評価技術」の確立を目的とする。 トリチウムのβ線と原子との相互作用により発生する制動X線は連続スペクトルである。従って、固体中に溶解したトリチウムに起因する制動X線は材料表面に到達するまでに一部吸収されてスペクトルの強度及び形状が変化する。制動X線の吸収割合は材料の構成元素の電子密度、制動X線の発生場所から表面までの距離及び光子エネルギー等に依存する。即ち、観測されるスペクトルは、種々の深さからの制動線X線スペクトルの積分値となり、スペクトルの特徴はトリチウムが溶解している深さに応じたピーク位置及び形状に表れることになる。 本年度は、シミュレーションによる実測スペクトルの解析を行なうために、シミュレーションプログラムを開発した。また、実測スペクトルを得るために、トリチウムで標識されたアクリル樹脂材料をモデル材料として用い、スペクトル測定を行なった。その結果、アクリル樹脂では約1mm程度までの厚みまで本計測法によって測定可能であり、開発されたシミュレーションプログラムによって得られるスペクトルと実測スペクトルが極めてよく一致することが明らかとなった。
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[Publications] Masao MATSUYAMA: "Nondestructive Tritium Analysis with Bremsstrahluny Counting Method (I) Applicabilitg to Organic Polymers." Amm.Rept.Hydrogen Isotope Research Center,Toyama University. 16. 81-91 (1996)
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[Publications] Masao MATSUYAMA: "Tritium Assay in Materials by Bremsstrahlung Counting Method." Fusion Engineering and Design. (発表予定). (1997)