1998 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉材料の照射下局所強度変化の精密評価に関する研究
Project/Area Number |
08458137
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
室賀 健夫 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60174322)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長坂 琢也 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (40311203)
井上 徳之 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20249965)
西村 新 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (60156099)
|
Keywords | 核融合炉材料 / 微小硬度 / 照射損傷 / イオン照射 / 材料強度 |
Research Abstract |
超微小硬度計と小型ビッカース硬度計を用いて、バナジウムにおける照射下の不純物の役割を明らかにした。金属バナジウムに窒素をさまざまなレベル添加した試料に、2.4MeVのCuイオンを室温と300℃で1dpa照射し、照射領域の電子顕微鏡組織観察と超微小硬度計による照射領域の硬度測定を行った。その結果、300℃照射において電子顕微鏡では同程度の転位ループが観察されたが、照射による硬度上昇は窒素レベルが高いほど増加した。すなわち、転位の硬度への寄与は300℃において窒素レベルが高いほど増加していることを示しており、これは窒素不純物の転位への集合による効果であると推定される。 比較のため、窒素レベルが異なるバナジウムを90%冷間加工しその後100℃ずつ温度を上げてアニーリングを行いビッカース硬度を測定した。その結果300-400℃のアニーリングによって硬度が逆に増加することがわかった。この間加工転位密度の変化は無く、300-400℃で窒素が移動し転位の強度への寄与を高めたものと考えられる。なお硬度は500℃から減少しはじめるが、これは組織との比較により、転位の熱回復によるものであることがわかった。 以上の結果から、バナジウムの加工と照射効果に関しては、窒素の役割が大きく、良い加工性と照射下の良好な特性を保つには窒素の低減化が必要であることがわかった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 室賀健夫: "The influence of neutron spectrum and irradiation history on microsfructural evolution" Journal of Nuclear Materials. 258-263. 130-139 (1998)
-
[Publications] 西村 新: "Fracture toughness of low activation ferritic steel (JLF-1) weld joint" Journal of Nuclear Materials. 258-263. 1242-1247 (1998)
-
[Publications] 井上 徳之: "Correlation of microstructure and hardness of a low activation ferritic steel (JLF-1)" Journal of Nuclear Materials. 258-263. 1248-1252 (1998)