1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08459007
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
井野 正三 宇都宮大学, 工学部, 教授 (70005867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 知秀 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (40272455)
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Keywords | 金粒子 / 真空蒸着 / 多重双晶粒子(MTP) / MTPミセル / 有機金属ミセル / 自己組織粒子 / アルカンチオール / β-メルカプトプロピオン酸 |
Research Abstract |
昨年度(平成8年度)において、AuのMTPにアルカンチオールを吸着させ、イガ栗(またはウニ)状の分子集合体を創製することに成功し、この新物質を「MTPナノミセル」と名付けた。 今年度はこのMTPナノミセルを透過型電子顕微鏡でさらに詳しく観察・解析した。先ずMTPナノミセルの粒径分布を測定した。それをみるとガウス分布に近い形をしており、ピーク位置は約70Aで、半値巾は約50Aであった。この試料の透過電子回析パターンには、面心立方格子から現れる回折リングの他に(200)と(220)リングの間に強い付加的なリングが観察された。これは(111)と(220)反射の2重回折によって説明可能であり、このことよりAu粒子が多重双晶粒子であることが実証された。チオールを吸着させると正20面体粒子は「面取りされた球形に近い構造」に変化した。しかし110面体粒子はチオールが吸着しても外形は変化しなかった。 また、ドイツのクラウスタール大学のケンプター教授との共同研究により、MTPナノミセルを光電子分光法およびペニングイオン化電子分光法により研究した。その結果、メルカプトプロピオン酸のメルカプト基側が金多重双晶粒子に吸着して外側にカルボキシル基が張り出しているミセル構造になっている事を確認した。またMTPミセルの応用研究として、以下の実験を行った。適切な濃度のMTPミセル水溶液をシリコンウェハ-上に滴下して乾燥し、このシリコンウェハ-を真空中で通電加熱したところ、ウェハ-上に金の1原子層が形成され6×6構造になることを反射高速電子回折により確認した。この実験は、真空蒸着を使わないで金属薄膜を1原子層またはそれ以下の単位で制御して作製できる可能性を示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Ino: "Theory of Transmission Casfficient of X-ray Evanescent wave for Grazing Incidence" Journal of Physical Society of Japan. 65. 3248-3253 (1996)
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[Publications] S.Ino: "Surface Structures and Surface Conductance During Metal Adsorption on Semiconductors" Surface Review and Letters. 4. 969-975 (1997)
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[Publications] T.Takami and S.Ino: "Formation of Si (111)-6×6-Au Structure withous using Vacuum Evaporation Technique observed by Reflection High Eneergy Electron Diff." Japanese Journal of Applied Physics. 36. L815-L817 (1997)
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[Publications] T.Takami and S.Ino: "Organametallic Micelle Comprising Gold Multiply-Twimed Particle anld Self-Assenbled Thiols" Surface Review and Letters. 4. 1381-1384 (1997)
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[Publications] T.Takami他8名: "Periodische Structur eines einzelnen Blattes eines tuchartigen Makromalekuels-Untersuchung des "atomaren Tudrs" mit Raster." Angewande Chemie. 24. 2909-2912 (1997)
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[Publications] S.Ino: "New Growth Modes and Surface Conductivity During Epitaxy of Metals on Si (111) Surface" Material Chemistry and Physics. 43. 159-165 (1996)