1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08551002
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Section | 試験 |
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大山 正 日本大学, 文理学部, 教授 (50008942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 治 東京都老人総合研究所, 心理学部門, 研究員 (30250195)
板垣 文彦 亜細亜大学, 教養部, 助教授 (10203077)
横田 正夫 日本大学, 文理学部, 助教授 (20240195)
厳島 行雄 日本大学, 文理学部, 助教授 (20147698)
長嶋 紀一 日本大学, 文理学部, 教授 (60050217)
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Keywords | 臨床記憶テスト / 携帯記憶テスト装置 / 短期記憶 / 長期記憶 / ワーキング・メモリー / 概念の活性化 / 若人 |
Research Abstract |
本研究は二つの目的を持っている.一つは認知心理学の立場に立つ新しい臨床記憶テストを作成することである.これは,従来の短期記憶や長期記憶の区分に基づく機能的区分だけではなく,ワーキングメモリーや短期から長期への転送過程,長期記憶からの検索や,概念処理を含む記憶テストを作成することである. この臨床記憶テストに関しては,本年度新潟県において,成人・老年の記憶能力を調べるために40歳から93歳までの健康な552名に横田・内藤(1996)による記憶テストの一部を改編したものを実施した.記憶テストの因子分析の結果,一次記憶から長期記憶への転送過程,短期記憶・ワーキングメモリーを含む一次記憶,長期記憶からの検索,概念の活性化の4因子が抽出された.前者2因子の因子得点は加齢と共に低下したが,後者2因子ではそのような傾向は認められなかった.ただ,80歳代以上をまとめ,他の年代と比べると後者2因子においても得点の低下が認められている.このようにエピソード記憶,一次記憶は加齢の影響を受けやすいが,意味記憶は加齢の影響を受けない.しかし,それでも80歳を超えると意味記憶の能力は低下することが明らかにされた.来年度の記憶テスト完成に向けたデータの取得と解析が行えた.来年度は以上の結果に基づき,本年度実施した記憶テストの項目ごとの分布などを吟味し,新たな集団に対してデータ収得を行い,テストの妥当性および信頼性を検討する. 第二の目的である携帯記憶テスト装置に関しては,装置に関する基本設計を終え,ソフトウエアを開発中である.来年度は上記の開発中の記憶テストをこの装置で実施可能にするとともに,非言語的記憶テスト用の顔刺激の提示および反応の取得が可能になるようにさらにソフトウエアを開発し,老人被験者群およびコントロール群の成人のデータを取得してプライミングデータおよび顔の再認記憶実験を行う計画である.
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Research Products
(1 results)