1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08554004
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 憲明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10028152)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 俊 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60294146)
出水 秀明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50294153)
板橋 隆久 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (20112071)
下田 正 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70135656)
|
Keywords | 放射性ビーム / 短寿命核 / 核偏極 / 超流動ヘリウム / 不純物イオン / スノ-ボール / 氷球粒子 / 放射線検出法 |
Research Abstract |
本計画では平成9年度,液体ヘリウム中に発生したり導入されたりした放射性イオンをプローブとする次の研究目的をかかげた。 1)スノ-ボールが生成される確率がほぼ30%であるが,この数値精度を上げて決定し,イオンの種類の依存性を明らかにする。2)スノ-ボールの構造はどのようなものか。ちなみに,普通の巨視的なヘリウムの固体は六方細密構造を示す。3)スノ-ボールの寿命の精密な測定によって温度依存性,さらにロトンとの相互作用を調べる。4)スノ-ボールの生成過程および消滅の過程をより明らかにする実験的な手がかりを得る。5)中性原子を熱流などにより移動させることにより超流動中における集団運動を調べる手掛かりとする。 今年度には超流動を達成するための真空ポンプ系の整備ができた。ただし,予算が全体に縮小されているのでポンプは一部のみを購入し,性能は劣るが古い製品を修理したうえ使用している。その他の部品は手作りが多い。液体ヘリウム温度で安定に動作する実験系をつくるため,クライオスタットを何度も改良を試み現在1.1K近くまで温度が下がるようになっている。まだ温度と機械的安定度が十分でなく,この点改良を行っている。本来L型の構造では相当無理なことはあるが,それなりの性能が出たことは大きな進歩である。 放射性核ビームによる重イオン核反応で生成される多種の新アイソトープなどを収集してトラップしてスペクトロスコピーの実験が可能となるようトラップする実験を行っている。ビーム輸送系と検出器系が組み上がった。この計画の成果を,さらに液体ヘリウム中でのイオン原子の動きに関する基礎的実験にもってゆきたい。
|
Research Products
(1 results)