1996 Fiscal Year Annual Research Report
複合的・高機能金属錯体の創製とそれらの基礎・応用物性
Project/Area Number |
08554026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
福田 豊 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (30021950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 文生 (株)富士化学, 研究部, 部長
西出 利一 日産自動車, 総研・材料研究所, 主任研究員
水上 富士夫 工技院, 物質工学工業研究所, 総合企画官
佐藤 倫子 (株)東芝, 研究員
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Keywords | 機能性錯体 / 多核化配位子 / クロモトロピズム / 表示素子材料 / 電気化学 |
Research Abstract |
新しい機能を持つ無機材料や機能性錯体を得ることを目的として以下の事を検討した。 (1)サーモクロミズム、ソルバトクロミズムを示す新しいポリケトン配位子を検討した。ジケトン、トリケトン、ケトラケトンである。トリケトンについては、今までに報告されている論文では、テトラケトンが出来ることになっていた。しかしながら、結果はトリケトンであることが明らかになった。テトラケトンは、鎖状および分岐型のものを合成している。それらを用いたた単核、複核錯体の合成を行い錯体を得た。溶媒や温度の変化により可逆的な色変化を確認した。これらの錯体の色変化を見ることによって、用いた溶媒の極性が判定できるいわゆるカラーインジケーターとなるものである。 (2)無機材料に関する最先端の研究を交流するために、研究解を企画し、討論をした。主に紹介された内容は、無機アモルファス(金属酸化物、薄膜)、無機光応答性化合物の開発・物性・応用、環境と無機材料等に関するものであった。 (3)その他の機能性錯体として、スピンクロスオーバー錯体、可逆性のある酸化還元可能な錯体の開発を行っている。これは、エレクトロクロミズム、フォトクロミズム関連のものである。種々の錯体系で可逆的な酸化還元を行わせて、ECD材料の可能性を検討しているところである。希土類と第一遷移金属との多核錯体の合成の試みも進めているが、現在良好な錯体の単離に至っていなく、継続して研究を進める。
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