1996 Fiscal Year Annual Research Report
低周波誘導熱プラズマ炉の試作と巨大クラスター生成への応用
Project/Area Number |
08555067
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Section | 試験 |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
作田 忠裕 金沢大学, 工学部, 教授 (80135318)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 昌弘 富士電機総合研究所, 主任技師
榊原 建樹 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (10023243)
滝川 浩史 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (90226952)
|
Keywords | 低周波磁界 / 大口径プラズマ / 熱プラズマプロセシング / 高速プロセシング / 均一プロセシング / クラスター / フラーレン |
Research Abstract |
本研究は,従来までの数MHz域から、500〜50kHzの低周波強磁界を有効に用いて、低周波電力をプラズマ陽光柱内深くに注入し,その高温領域を拡大化し、安定、定常に大口径、大容量誘導熱プラズマを発生させようとするものである。そのための誘導プラズマ炉を設計製作し、連続運転のための電気的、熱的問題を基本的視点から解決する。さらに、試作したプラズマを用いて具体的に巨大クラスターすなわちフラーレンの生成を試み、このプロセシングの高速性、均一性を検証することを第2の目的とする。本平成8年度で得られた主要な結果を以下に要約する。 1)低周波プラズマ炉の設計 この種の無電極,磁気結合方式の高周波プラズマ炉は,電源,マッチング回路,誘導コイルを含む電力システムである。周波数500および50kHzにおいて、このシステムにおけるパワーの流れを計算機解析した。低周波コイル形状を大口径100mmとした場合、所要のプラズマ電力は、周波数500kHzで約30kWおよび周波数50kHzで約150kWが必要であることが明らかとなった。 2)He、CO2誘導プラズマの発生実験 上記と平行して、Arを用いて大口径誘導熱プラズマの発生基礎実験も行い、50kHzおよび1MHzの両低周波域でプラズマの安定発生を確認できた。これらプラズマの到達温度はいずれも1万度を越す超高温となっていることが分光測定からわかり、高速反応性を確認した。また、最終目的である巨大クラスター生成の予備的実験として、特にフラーレン合成に適しているといわれるHeおよびCO2ガス雰囲気中での誘導プラズマの安定発生を試み、初めてこの種の誘導プラズマの発生に成功した。これにより、巨大クラスター生成のための反応プラズマ源の問題が基本的に解決され、次年度に向け有効な基礎固めができたと考えている。
|
-
[Publications] T.Sakuta: "Dynamic behavior and stability of induction thermal plasma" Proc.3rd Asia Pacific Conf.on Plasma Chemistry. vol.2. 385-392 (1996)
-
[Publications] 番匠俊行,作田忠裕 他: "パルス状電磁界を印加した誘導熱プラズマの解析" 電気学会開閉保護・高電圧合同研究会. SP-96-31. 45-54 (1996)
-
[Publications] 中田隆雄,作田忠裕 他: "SF_6誘導プラズマの分光観測" 電気学会開閉保護・高電圧合同研究会. SP-96-33. 63-72 (1996)
-
[Publications] 作田忠裕,西田友佐 他: "フラーレン生成用大口径誘導プラズマの発生と分光観測" 電気学会開閉保護・高電圧合同研究会. SP-96-76. 141-149 (1996)
-
[Publications] K.C.Paul,T.Sakuta 他: "The dynamic behavior of wall-stabilized SF_6 arcs contaminated by Cu and PTFE vapours" J,Phys.D : Applied Physics. 30. 103-112 (1997)
-
[Publications] 宮本昌弘,作田忠裕 他: "50kHz磁界による大口径誘導熱プラズマの発生" 電気学会論文誌B. (1997.5月掲載決定). (1997)