1998 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷の環境モニタリングによるリスク評価法の開発
Project/Area Number |
08555137
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松井 三郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (90092808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 知成 京都大学, 工学研究科, 助手 (50273488)
山田 春美 京都大学, 工学研究科, 助手 (40089123)
清水 芳久 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20226260)
森澤 眞輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)
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Keywords | バイオマーカー / DNA損傷 / 突然変異スペクトル / 3-ニトロベンツアンスロン / アセトアルデヒド / ホルムアルデヒド |
Research Abstract |
現在、先進国では4人に1人が癌により死亡している。これは、他の死因が相対的に減少したことにもよるが、このような高率の癌発生は果して必然なのであろうかという問題がある。国や地方によって発癌部位や頻度に大きな差が見られることは、環境要因が大きな影響を占めていることを示唆している。様々な発癌物質が大気、水、食品から検出されているが、環境中には非常に多種多様な発癌物質が少量ずつ存在しており、機器分析でこれらの物質を監視していくのは限界がある。環境試料の発癌性をまとめて評価するバイオアッセイも有効であるが、人や生物に対する影響を直接見るためには、バイオマーカーによるモニタリングが不可欠である。本研究では、発癌リスク解析のためのバイオマーカーとしてDNA損傷に着目し、この構造解析や定量法に関する研究を行った。まず、有名な大気汚染物質である3-ニトロベンツアンスロンやホルムアルデヒドによるDNA付加体の構造を決定した。また、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドのDNA付加体、及び酸化的DNA損傷をLCタンデム質量計を用いて尿試料から検出する方法を開発した。さらに、これらの汚染物質の突然変異スペクトルをシャトルベクターを用いて解析した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Matsuda,I.Terashima,Y.Matsumoto,H.Yabushita,S.Matsui,S.Shibutani: "Effective Utilization of N^2-ethyl-2'-deoxyguanosine Triphosplate during DNA Synthesis Catalyzed by Hammalian Replicative DNA polymerases" Biochemistry. 38・3. 929-935 (1999)
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[Publications] M.Kawanish,T.Enya,H.Suzuki,H.Takebe,S.Matsui,T.Yagi: "Mutagenic Specificity of a Derivative of 3-Nitrobenzanthrone in the SupF Shuttle Vector Plasmids" Chemical Research in Toxicology. 11・12. 1468-1473 (1998)
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[Publications] M.Kawanishi,T.Matsuda,G.Sasaki,T.Yagi,S.Matsui,H.Takebe: "A spectrum of mutations induced by crotonaldehyde in shuttle vector plasmids propagated in human cells" Carcinogenesis. 19・1. 69-72 (1998)
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[Publications] M.Kawanishi,T.Matsuda,A.Nakayama,H.Takebe,S.Matsui,T.Yagi: "Molecular analysis of mutations induced by acrolein in human fibroblast cells using supF shuttle vector plasmids" Mutation Research. 417. 65-73 (1998)
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[Publications] T.Matsuda,M.Kawanish,T.Yagi,S.Matsui,H.Takebe: "Specific tandem GG to TT base substitutions induced by acetaldehyde are due to intra-strand crosslinks between adjacent guanine bases" Nucleic Acids Research. 26・7. 1769-1774 (1998)