Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 重信 (株)武蔵野化学研究所, 主任研究員
高梨 啓和 大分大学, 工学部, 助手 (40274740)
平田 誠 大分大学, 工学部, 講師 (20264327)
酒井 謙二 大分大学, 工学部, 助教授 (50205704)
森口 充瞭 大分大学, 工学部, 教授 (70026574)
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Research Abstract |
生分解性ポリマーの原料を対象としたL-乳酸の製造プロセスに関し,バクテリア(Lactobacillus rhamnosus)ならびに糸状菌(Rhizopus oryzae)を用いて,発酵,生成物分離の両側面から検討を行った。発酵条件に関しては,両菌体ともにわずかに酸側の中性域で増殖,発酵速度ともに高く,発酵培地として酵母エキスを要求するバクテリアに関しては,酵母エキス濃度が高いほど増殖が良かった。また,基質となるグルコース濃度は,200g/lにまで高くすると発酵速度は著しく低下し,また乳酸の生成とともにさらに低下した。これらのことより,乳酸発酵は,グルコースによる基質阻害と乳酸による生成物阻害が起こっており,効率的な操作をするためには連続化が重要であり,いずれの濃度も低い状態で操作することが好ましいものと考えられた。また,発酵生成物の分離のしやすさに関しては,バクテリアでは培地中の酵母エキスがこれを困難にし,また,糸状菌では,同時に生成する他の有機酸が問題となるものと思われた。生成物の分離回収に関しては,反応抽出,電気透析,膜分離等を検討した。反応抽出では,毒性により使用できる溶媒が限られ,オレイルアルコールやオリーブオイル等が問題なかったが,これらの溶媒は抽出の際に容易にエマルションを形成してしまうため,発酵速度に見合うだけの分離速度を得るためには抽出装置の改善が必要であった。従来から問題となっている抽出試薬の毒性に関しては,クリーニングカラムを使用することにより問題なく操作できることが明らかとなった。また,電気透析は高い分離速度が得られ,水の浸透を利用して連続化することも容易であったが,膜分離操作と同様に,グルコース等がリ-クしてしまうため,槽内グルコース濃度の制御が重要であることが明らかとなった。
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