1996 Fiscal Year Annual Research Report
省力・低コストによる高品質・高収量わい化リンゴ栽培技術の開発
Project/Area Number |
08556004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
塩崎 雄之輔 弘前大学, 農学部・附属農場, 助教授 (50003471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正志 秋田県立農業短期大学, 附属農場, 助教授 (90110585)
横田 清 岩手大学, 農学部・附属農場, 教授 (60109155)
張 樹槐 弘前大学, 農学部, 助手 (90261429)
荒川 修 弘前大学, 農学部, 助教授 (70184265)
浅田 武典 弘前大学, 農学部, 助教授 (10003518)
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Keywords | アントシアニン / 枝変わり / 果実品質 / 後期落下 / 作業性 / 剪定 / リンゴ |
Research Abstract |
高品質、高収量リンゴ果実生産の省力、低コスト栽培を可能にする日本型のわい化栽培技術を開発することを目的として、本年度は以下の研究を行った。1)整枝剪定については、‘ふじ'を用いて、樹形を円錐形に保つための側枝の切り詰め処理及び副梢の長さが果実品質に及ぼす影響について調査した。切り詰め剪定は果実品質を特に低下させることはなかった。また、副梢の長さは果実品質には影響しなかった。2)反射シートの敷設がリンゴ樹の光環境と果実品質に及ぼす影響について調査した。反射シートの利用は特に樹冠下部の光環境を改善し、下枝の果実の着色を良くした。また、可溶性固形物含量が高まる傾向が見られたが、これについては次年度もさらに検討する予定である。3)枝変わり品種に関しては、‘ふじ'及び‘つがる'の着色系品種の着色特性について調査した。‘つがる'の着色系である‘芳明'は特に同じ光強度の下でもアントシアニン生成量が多く、それにはフェニルアラニンアンモニアリアーゼが関与していることが示唆された。‘ふじ'では特に1系タイプの着色が良い品種は、紫外光を含まない光でも多くのアントシアニンを生成することと、アントシアニン生成の適温がやや高いことが明らかとなった。また、これらの着色系に関して遺伝子上の変異を解析し、そのマーカーについて現在検討中である。4)省力化のための植物成長調節剤の利用については、収穫前落果に及ぼすアミノエトキシビニルグリシン(AVG)の影響について調査した。その結果、濃度60ppmで、収穫の約20日前の散布が効果的であり、その散布は、従来の落果防止剤の欠点である果実を軟化させることはなかった。5)省力化のための作業性の解析に関しては、本年度は樹形の異なる園地における収穫作業をビデオに収録し、現在解析中である。
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