Research Abstract |
本年度(平成9年度)は,9大学11演習林において,昨年度(平成8年度)からの継続調査として,各演習林で選抜した母樹についてのフェノロジー観察を行った.また,昨年度にミズナラ,コナラ種子が不作であった演習林では種子の採取を行い,各演習林へ配布し,産地試験地造成を行った.さらに本年度から,産地試験地に育成した産地・母樹毎の実生苗について,フェノロジー観察を開始した.具体的な内容は下記の通りである. 1.母樹フェノロジーの観察:昨年度と同様に,開葉,開花,着葉,着花,着果について,目視による測定と写真撮影による記録を行うとともに,樹冠下に設置しているリター・トラップに捕捉された落葉,落花,落果の数・量を計測した.また,環境要因として気温測定も継続して行った. 2.種子の採取と分配-産地試験地の造成-:本年度は北大(中川・雨竜・和歌山),筑波大(八ケ岳),東大(秩父),東京農工大(大谷山,草木),静岡大(上阿多古),京大(上賀茂),鳥取大(蒜山,熊谷),九大(福岡)の各演習林において採取されたミズナラあるいはコナラの種子を用い,各大学に新たな産地試験地を造成した. 3.産地試験地実生苗のフェノロジー観察:昨年度に分配された種子を用いて育成した苗木について,個体毎の発芽,着葉量などについての観察を行い,さらに葉色の変化を葉緑素計(ミノルタSPAD-502)を用いて定量的に計測した. 以上の計測結果についての中間打ち合わせを行い,測定方法について再検討し,特にリター・トラップ捕捉物の計測項目について修正を加え,観察・測定を継続している.
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