ヒューマンケア作業の質の向上と快適化を目標にした評価プログラムの開発

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08557029
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Section: 試験
• Research Institution: The Institute for Science of Labour
• Principal Investigator: 小木 和孝 財団法人労働科学研究所, 所長 (90124312)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 瀬尾 明彦 広島大学, 医学部, 講師 ; 酒井 一博 財団法人労働科学研究所, 環境保健研究部, 研究部長 (90072660)
• Keywords: 高齢社会 / ヒューマンケアワーク / 姿勢負担、勤務負担 / 中高年ケアワ-カ / 人間工学的な評価プログラム / 在宅ケア / 上体傾斜角の計測 / 作業の質、快適化

Research Abstract

ヒューマンケアワークにおける作業の質の向上をはじめ、人間工学的条件や作業環境面、さらに勤務制についての評価プログラムを開発し、それを病院、福祉・介護施設、自宅などのケア場面で応用するために、本年度は次のような調査・研究を実施した。
1. 実作業場面においてヒューマンケアワークによる生理的負担及び姿勢負担の連続計測が可能になるよう、次のような計測機器の開発・改良にあたり、ほぼ完成のメドをたてた。
(1)作業中の筋活動、心拍数、および身体的な活動を連続的に計測できる携帯型の装置の開発にあたった。とくに、生体情報の計測と同期して作業の観察情報を記録できる点に特徴がある。
(2)ヒューマンケアワークでは姿勢負担が非常に大きく、人間工学的な改善が重要となるために、上体傾斜角計測装置の改良に取り組み、実作業場面において応用可能な装置を完成させた。実験室レベルでチェック中である。
2. 本年度は病院、福祉・介護施設、自宅などにおいて、主にヒアリングとケア場面の観察を中心に実態分析を行うとともに、主に在宅での人間工学的な改善ケースの収集にあたった。腰痛者が多く、人間工学的な検討・改善が必要なこと、変則勤務や夜勤など勤務負担についての訴えが強いこと、人間関係のストレスが介在していること、中高年者ケアワーカーの疲労の訴えが強いことなどが明らかになっている。