1996 Fiscal Year Annual Research Report
分子血流トレーサを用いた冠微小循環heterogeneity評価法の確立
Project/Area Number |
08557051
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Section | 試験 |
Research Institution | Kawasaki College of Allied Health Professions |
Principal Investigator |
後藤 真己 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (50148699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
立花 博之 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助手 (00241216)
平松 修 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助手 (50208849)
望月 精一 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (60259596)
松本 健志 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (30249560)
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Keywords | 心筋虚血 / 微小循環調節 / 心筋内血流分布 / R1分子血流トレーサ / 血流マイクロイメージング / 不均一性 |
Research Abstract |
心筋虚血を発生させやすい微小心筋領域の解剖学的特徴や循環調節のしくみ、さらに心筋虚血の発生、進展、拡大の仕方には不明の点が多い。これらの問題に取り組むために、本研究では、心筋内血流分布の三次元的特徴を毛細血管レベルに至る分解能で解析することを目指した。実験用動物(家兎)を対象にして、RI分子血流トレーサ〔^3H〕DMI(30〔μCi〕)を静脈内に投与した後に心停止させ、左右心室自由壁の凍結切片(厚さ:約5μm)を作製した。次いでバイオイメージングアナライザ(x線フィルムの100倍の感度)で各切片ごとにβ線密度分布を計測して左右心室筋の血流分布を毛細血管レベルでイメージングした。これまでの我々の検討から、サンプルサイズが小さくなるほど血流分布が不均一になるが、動脈血中の酸素分圧が低下すると小さなサンプルサイズでも流れのパターンがより均一になることが示されている。そこで、左室心筋に比べて酸素需要が少ない右室心筋では、血流分布パターンがより不均一的である可能性が考えられる。この点について、毛細血管レベルでの血流分布パターンを同一心の左右心室で比較したところ、右室心筋では、左室心筋に比較して血流分布パターンがより不均一的であることを認めた。これは、右室心筋に比較して虚血に陥りやすい左室心筋においては、生理的状態ですでに血流調節機能が右室心筋に比較して強く発揮されていることを示唆するものと解釈することができ、微小心筋虚血が発生、進展するプロセスを理解するうえで重要な所見と考えられる。今後、毛細血管網を単位として微小心筋虚血が発生するとする近年の心筋内易虚血性微小循環単位説との関連においてさらに解析を進めるべき課題であると考られた。
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Research Products
(1 results)