1997 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤とキメラ抗体との複合体による大腸癌手術後の肝転移再発防止の研究
Project/Area Number |
08557077
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山口 俊晴 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (90111327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20244600)
北村 和也 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10224966)
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Keywords | モノクローナル抗体 / 抗イディオタイプ抗体 / キメラ抗体 / 臨床試験 / 大腸癌 / 肝転移 |
Research Abstract |
臨床第1相試験の後に採取された患者血清の免疫学的解析が進められた。そして、キメラ抗体との複合体では、ヒト抗マウス抗体の産生がマウス抗体の複合体を投与した場に比較して強く抑制されていることが明らかになった。この抑制は長期にわたって検討しても持続し、キメラ複合体のほうがより安全なことが示された。ただし、この際に検出されるヒト抗マウス抗体は、抗体のうち特に抗原性の強いFc部分に対するものではなく、マウスの構造が温存されている可変領域に対するものであった。すなわち、抗インディオタイプ抗体が産生されたものと考えられた。これが、抗体の癌細胞への結合にどのような影響を与えるのか、投与された複合体の血中動態をどのように変化させるのか、今後さらに検討する必要がある。本研究で用いられている抗体A7の認識抗原は細胞膜上に存在し,分子量約4万5千の糖蛋白質であることはわかっているものの、分子としての同定が未だ行われていない。この標的分子の解析が開始されたが、具体的な成果は本年度は出なかった。また、キメラ抗体とネオカルチノスタチンとの複合体の合成は今年度も続けられ、抗体活性と抗癌活性の確認された複合体が約30万単位が保存されている。なお、臨床研究は本年度に新しいGCPが示されたので、これに学内の審査制度が対応してから認可されることになった。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 山口俊晴: "モノクローナル抗体結合抗癌薬による癌ミサイル療法" 医学のあゆみ. 184. 325-328 (1998)
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[Publications] 山口俊晴: "抗体による癌治療" Surgery Frontier. 4(2). 82-86 (1997)
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[Publications] 山口俊晴: "モノクローナル抗体による大腸癌の診断" 総合臨床. 46(2). 282-286 (1997)
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[Publications] 山口俊晴: "胃癌の遺伝子診断" 外科. 59. 937-941 (1997)
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[Publications] 大辻英吾: "キメラ化A7-Fab分画結合Neocarzinostatinの膵癌ミサイル療法への有用性" 癌と化学療法. 24. 2285-2287 (1997)
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[Publications] 大辻英吾: "ビオチン化抗体結合制癌剤とアビジンとによる副作用の少ない膵癌ミサイル療法の開発" Biotherapy. 11. 95-99 (1997)
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[Publications] T.Yamaguchi: "Changes in expression of the antigen recognized by monoclonal antibody A7 in human pancreatic carcinoma cells." Cancer Letters. (in press). (1998)
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[Publications] C.Sakakura: "Overepression of Bax Sensitizes Breast Cancer MCF-7 Cells to Cesplatin and Etoposide" Surgery Today. 27. 676-679 (1997)
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[Publications] C.Sakakura: "Overexpression of Bax Sensitizes Breast Cancer MCF-7 Cells to Cisplatin and Etoposide" Surgery Today. 27. 90-93 (1997)
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[Publications] C.Sakakura: "Increased Apoptosis Rate by Hyperthermochemoradiotheraphy for Advanced Rectal Cancers" Surgery Today. 27. 773-776 (1997)
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[Publications] E.Otsuji: "Decreased Renal Accumulation of Biotinylated Chimeric Monoclonal Antibody-Neocarzinostatin Conjugate after dministration of Avidin" Jpn.J.Cancer Res.88. 205-212 (1997)
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[Publications] H.Nish: "Reduced blood accumulation of biotinylated monoclonal antiboby a7 after the subsequent administration of avedin" Cancer Letters. 120. 127-134 (1997)