1998 Fiscal Year Annual Research Report
食生活の質を表現する新しい味機能検査法の開発に関する試験研究
Project/Area Number |
08557093
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松崎 勉 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (50239000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西元 謙吾 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (50305132)
松根 彰志 鹿児島大学, 医学部, 講師 (00253899)
池田 稔 日本大学, 医学部, 助教授 (30130420)
原田 秀逸 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (60128452)
黒野 祐一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (80153427)
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Keywords | 味覚障害 / 頭頸部腫瘍 / うま味 / 味覚機能検査 / パッチクランプ法 |
Research Abstract |
食生活の質を表現する新しい味覚機能の開発のために以下の研究を行った。 1. 「おいしさ」障害の臨床的検討 鹿児島大学医学部附属病院にて治療を行った頭頸部悪性腫瘍治療後の患者88名(男性74名、女性14名 平均年齢65歳)の味覚機能について、味覚異常の有無をアンケートで調査し、ソルセイブによる塩味閾値検査、全口腔味覚閾値検査にて検討した。アンケートによる味覚正常群と異常群で比較検討するとソルセイブでは味覚異常群でその閾値が有意に上昇しており、全口腔味覚閾値検査では4基本味に対する閾値の上昇は認めなかったが、「うま味」では味覚異常群が正常群に比べ有意に閾値の上昇を認めた。悪性腫瘍原発部位別では、口腔中咽頭領域がその他の部位の悪性腫瘍群より有意に味覚障害を訴え、ソルセイブによる味覚閾値、うま味閾値、苦み閾値ともに上昇を認めた。頭頸部悪性腫瘍治療後の味覚障害は、複数の要因で起こるものと考えられ、総合感覚である「食物の味」が変化すると思われる。特に、「うま味」の閾値は、味覚異常を訴える群で有意に上昇しており、食生活の質を表現する味覚機能検査法として有用であると思われる。 2. 単離味細胞における「うま味」味物質に対する反応様式の電気生理学的研究 4基本味とうま味物質の混合味質に対する応答性と単一味質に対する応答性を比較検討するため、同一味細胞にてこうした一連の味質に対する応答を連続して測定するための方法を検討した。そのために、細胞障害の極力少ない新たな味細胞単離法について検討したが、連続実験に耐えうる細胞単離法の開発には至っていない。
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