1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08559010
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
野田 章 京都大学, 化学研究所, 教授 (20114605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 淳一 日立製作所, 日立工場, 主任技師
平本 和夫 日立製作所, 電力電機開発本部, 主任研究員
白井 敏之 京都大学, 化学研究所, 助手 (50252507)
岩下 芳久 京都大学, 化学研究所, 助手 (00144387)
井上 信 京都大学, 化学研究所, 教授 (90028176)
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Keywords | クオリティーオブライフ / ブラッグピーク / 陽子線がん治療 / 機能結合型のシンクロトロン / 量産普及機 / n値 / モデル電磁石 / 磁場測定 |
Research Abstract |
放射線によるがん治療は、身体の機能及び形状の保全に優れており、患者に対する身体的負担も比較的軽いという長所のため、近年注目を集めている。中でも、荷電粒子線によるがん治療は、ブラッグピークの存在による線量の腫瘍部への集中が可能であるため、その有効性が実証されつつあるが、その広範な普及を目指して、小型で維持・運転の容易な陽子シンクロトロンの専用機の設計例を確立する目的で、機能結合型小型シンクロトロンの研究を進めてきた。このタイプは、機能分離型に比して、 ・偏向電磁石と四重極電磁石が分離していないので、これらの電源間で励磁電流のトラッキングを取る必要がないため、電源の制御が簡略化され、建設コストの大幅な低減が可能となる。 ・水平及び垂直方向のベータトロン振動数の動作点が固定されており、日常の運転がきわめて容易になる。 という利点を有している。しかしながら、この第二の点は、運転のフレキシビリティーが無いことにつながるため、当初に良好な設計を確立することが、この方式を採用するための、不可欠の条件となる。こうした観点から、本研究では、平成8年度に設計を確立した機能結合型のシンクロトロンエラティスに基づき、それに用いられる6台の同一の機能結合型電磁石の一台を、実機と同寸のモデル電磁石として製作を行った。その際、3次元磁場計算の結果に基づき、FセクターとDセクターの境界の位置の調整を行った。本年度は、平成8年度に試作したがん治療専用の陽子シンクロトロン用の機能結合型電磁石のモデル電磁石の磁場測定を行い、漏洩磁場やFセクターとDセクターの遷移領域を重点的にマッピングを行った。このデータを内挿し、ビームのベータトロン振動の軌道から遷移行列を計算して、水平及び垂直方向のベータトロン振動数を算出し、この結果に基づき、最適な動作点を実現するために、BL積の調整を実施した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A.Noda et al.: "Development of Proton Synchrotron Dedicated for Canser Therapy at Kyoto University" Proc.of the 6th China-Japan Joint Symposium on Accelerators for NuclearScience and Their Applications,Chengdu,China. 308-311 (1996)
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[Publications] K.Saito, J Hirota, Y.Iwashita, A.Noda, M.Inoue et al.: "An Untuned RF Cavity using Multifeed Coupling" Nucl.Instrum.and Meth.in Physics Research. A401. 133-143 (1997)
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[Publications] K.Noda, Y.Iwashita, M.Inoue, T.Shirai, K.Hiramoto, J.Hirota et al.: "Development of Compact ProtonSynchrotron with Combined Function Dedicated for Cancer Therapy" Proc.of the 11th Symposium on Accelerators Science and Technology,Harima Science Garden City,Hyogo,Japan. 314-316 (1997)
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[Publications] K.Hiramoto and A.Noda: "Tune Change due to Ripple of Magnetic Field in aSynchrotron of Combined Function Lattice" Proc.ofthe 11th Symposium on Accelerator Science and Technology,Harima Science Garden City,Hyogo,Japan. 496-498 (1997)
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[Publications] A.Morita, Y.Iwashita, and A.Noda: "Tune Value Evaluation for Combined Function Lattice" Bean Science and Technology. 3. 23-26 (1997)