1997 Fiscal Year Annual Research Report
小学校教師の教職準備性とその後の職能発達との関連に関する縦断的研究
Project/Area Number |
08610100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
臼井 博 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 教授 (90070119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 松蔵 国学院短期大学, 専任講師
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Keywords | キャリア発達 / 教員養成 / 小学校教員 / 教育実習 / 教員の資質 / 生涯発達 |
Research Abstract |
1.教育実習の教職準備性に対する影響:教育実習に行く前の教員養成大学の学生(大学3年生)に教育実習前の不安、教職の志望度、教職の適性感などについて質問紙調査を行った。さらに、実習終了後に教育実習の不安に対応した項目内容で実際にどの程度の苦労や困難を感じたのか、志望度や教職観などを前回同様質問紙により調査した。実習前の不安としては、授業に関するものがもっとも高かった。実習後の心理的な変化では、教師や子どもの生活や学校のシステムについての理解が高かったが、早起きなどの生活リズムは実習が終わるとすぐにまた元に戻りやすかった。実習中に困ったり、苦労したことは事前の不安と同じようにやはり授業に関することがらが高かった。教職志望度と教職適性感の実習前と後の約3か月の間の安定性について調べたところ、それぞれの相関は0.66と0.40であった(いずれもp<.01で有意)。志望度に比べると、適性感の方が実習経験の影響を受けやすかった。また、それぞれの実習前後の変化について見ると、志望度では有意差はなかったが、適性感は実習後の方が有意に高くなっていた。 2.小学校の新任・若年教員の調査:同一の教員養成大学の卒業生で、北海道内の小学校(6学級以上)に勤務して5年以内の教員に質問紙を郵送し、回答してもらった。質問の内容は、勤務先の学校の雰囲気、社会的支援、実践の上で苦労していること、教職観、などであった。職場適応は良好であり、特に教員間の協力について高く評価していた。社会的支援では、同じ学年の教員がもっとも頼りとされ、違う学年の教員も高かったが、校長を相談相手にすることは非常に少なかった。また、新任教員指導教員は学校によって役割の違いが比較的大きかった。
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Research Products
(2 results)