1996 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児をもつ家族のストレスと生活の満足度および障害の受容に関連する要因
Project/Area Number |
08610166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
中田 洋二郎 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・児童思春期精神保健部, 室長 (20106214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 道子 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・児童思春期精神保健部, 室長 (60214780)
藤井 和子 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・児童思春期精神保健部, 室長 (00181305)
上林 靖子 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・児童思春期精神保健部, 部長 (50132874)
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Keywords | 発達障害 / 家族 / 障害受容 / QOL / ダウン症 / 自閉症 |
Research Abstract |
平成8年11月から平成9年3月現在まで、発達障害児の家族53例を対象に面接調査を行った。面接の目的は、家族が障害のある子どもを持ったことで生じた困難な出来事、またそのことにどのように対処したかを聴取し、障害児をもつ家族に共通するライフイベントとコーピングスタイルに関する資料を収集することである。 現在その結果を整理し分析しているが 以下のようなことが明らかになっている。発達の障害のタイプによって、家族が生活上困難と感じる事柄が明らかに違う。自閉症児の場合、幼児期と思春期に生じる固執とパニック状態の激化は、家族のうちとくに母親にとって最も困難な経験としておおく語られた。いっぽう、ダウン症など先天的な障害では、家族が最も困難に感じるのは、家族が障害を知った後の自らの情緒的な混乱と、子どもの養育に関する情報の不足による子育てへの不安であった。しかし、障害の違いによらず、家族が障害児を持つ事実の自己開示の程度、近隣に援助を提供する人々の有無、専門機関など社会資源の利用度等によって、それぞれの家族が感じる困難性は異なった。 以上なような結果を踏まえ、来年度が質問紙法による調査を、現在幼児また就学年齢にある障害児の家族に施行し、ライフイベントとコーピングについて統計的分析を用いて調査する予定である。
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