1998 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児をもつ家族のストレスと生活の満足度および障害の受容に関連する要因
Project/Area Number |
08610166
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
中田 洋二郎 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・児童思春期精神保健部, 室長 (20106214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 道子 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・児童思春期精神保健部, 室長 (60214780)
藤井 和子 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・児童思春期精神保健部, 室長 (00181305)
上林 靖子 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・児童思春期精神保健部, 部長 (50132874)
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Keywords | 発達障害 / 家族 / 障害受容 / QDL |
Research Abstract |
平成8年度、現在適応を示している発達障害児の家族を対象に面接調査を行った。その主な目的は障害児を持つことで生じた困難な出来事とそのことへの対処方法を調べることであった。その結果、障害のタイプによって家族が困難と感じる事柄が異なることが明らかとなった。たとえば自閉性の障害の場合、家族は幼児期と思春期に生じる固執とパニックの状態の激化をもっとも困難な事柄としてあげ、ダウン症など先天性に異常が原因の障害では、初期の障害の受容と乳児期の養育を困難と感じる傾向があった。障害の違いによらず、障害児を持ったことの開示、健常なきょうだいとの関係、専門機関や教育機関など資源の不足は共通する問題としてしてあげられた。この聞き取り調査から得た内容を障害児の年齢によって整理し調査内容を定めた。平成9-10年度は、郵送法と面接を併用して定めた質問内容にそって、就学時期、学童期、思春期の障害児を持つ家族を対象にその時期の出来事と対処方法を調べた。年代によって家族が適応に困難さを感じる内容が異なった。就学時期では、進路の選択がもっとも困難な問題であった。また決定の経緯は、それまでの専門機関の利用法や家族機能の違いによって異なった。学童期の問題としては普通学級に進学した場合、中途での進路の再検討が必要となり、就学時と同様の問題が生じた。思春期の問題としては自立と親との分離が困難な課題としてあげられた。これらの問題への対処のしかたは家族によって異なったが、それぞれの対処方法は家族機能の観点からみると家族機能の発達とともに変化することが明らかとなった。
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