1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
安藤 毅 北星学園大学, 経済学部, 教授 (10001679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 和義 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80113661)
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Keywords | 行列不等式 / ノルム評価 / アダマ-ル積 / 擬順序 |
Research Abstract |
(1)3個以上のエルミート行列H_i(i=1,2,…,n)に対してe^<H1+…+Hn>ト積e^<H1>…e^<Hn>は一般に等しくはならない。せめて望まれるそれらのノルム||e^<H1+…+Hn>||と||e^<H1>…e^<Hn>||の比較も一般には可能でない。その障害はすべてH_j(j=1,…,n)が可換でないことに起因する。これを克服するため,一度可換な対象に置き換えてそこで処理し,その結果を引き戻すという着想にそって研究を進めた。普通の積でなくテンソル積e^<H1>【cross product】…【cross product】e^<Hn>を考え,それを引き戻すにはアダマ-ル積X_1о…оX_nを使った。各ユニタリー行列Uを媒介として回転H→H(U)≡U^*HUを導入し,求めるノルムの評価式として次をえた: sup__U||e^<H1(U)>о…оe^<Hn(U)>||【greater than or equal】||e^<H1+…Hn>|| (2)2つの正定値行列A,Bの間の順序関係A【greater than or equal】Bだけからは,射影Pに関しての不等式A【greater than or equal】PBPは一般に出ない。これが常に成り立つときA>Bと書こう。この関係はもちろん普通の順序よりも強い擬順序となる。A>Bとなる必要十分条件は,そのユニタルな正線形写像X→Φ(X)に対してもΦ(A^<-1>)^<-1>【greater than or equal】Φ(B)が保証されること I【greater than or equal】(λ^<-1>A^<-1>+λB)/2 となるλ>0の存在を確立した。また,γA>Aとなる最小のγを求める問題は,正値2治形式に関するKantorvicの不等式と密接に関連しているのを見いだした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Ando: "Hadamard products and Golden-Thompson type inequalities" Linear Alegbera and its Applications. 241/243. 105-112 (1996)
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[Publications] T.Ando: "Quasi-orders on the positive cone of a C^*-algebra" Linear and Multilinear Algebra. 41.1. 81-94 (1996)
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[Publications] T.Ando,K.Takahashi: "On operators with unitary ζ-dilations" Annales Polonic Matematici. 51.1. 11-14 (1997)