1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640361
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
寺尾 治彦 金沢大学, 理学部, 助教授 (40192653)
|
Keywords | 繰り込み群 / カイラル対称性 / 相転移 / 非摂動的解析 |
Research Abstract |
場の量子論の非摂動的現象の理解、特に理論の相構造や力学的対称性の破れの機構の解析は、非常に重要な課題であるが、その解析方法、特に解析的な手法はまだまだ未開発である。そこで金沢大学の青木らとWilson流の非摂動的繰り込み群を用いた解析に着目し、強結合なQEDにおけるカイラル対称性の破れの現象に適用し、それが有効な方法を与える事を見た。特に従来用いられてきたSchwinger-Dyson方程式による解析との比較、および構造上の解析的関係について考察を行った。 一方、非摂動繰り込み群は有効理論の繰り込み可能性を示す為にも有効であることがPolchinskiによって指摘され知られているが、これまでは摂動論の範囲内で議論されてきました。しかしこの枠組みは本質的に非摂動的であり、摂動論に基づいた繰り込みは不可能であるが非摂動的力学を取り入れる事によって繰り込み可能になる系に対しても適用し得る。これまではそのような例に対しての応用は行われていなかった。そこで最近非摂動的繰り込み可能である例として明らかにされたゲージ相互作用をするNJL模型に対して、非摂動的繰り込み群の観点からその非摂動的繰り込み可能性について調べた。 これらの結果については、現在まとめているところである。
|
Research Products
(1 results)