1996 Fiscal Year Annual Research Report
多次元コインシデンス法を用いた電子・He衝突における放出電子角度相関の測定
Project/Area Number |
08640513
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉野 益弘 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (30052864)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 陽 城西大学, 理学部, 助教授 (10159923)
|
Keywords | 多次元 / コインシデンス法 / 2次元検出器 / 電子衝突 / 角度相関 |
Research Abstract |
本研究の目的は2次元位置有感型検出器を用いた多次元コインシデンス計測システムを完成し、多次元コインシデンス法を用いた実験手法を確立するとともに、この実験手法の優位性を生かして、しきい値近傍での電子衝撃によるヘリウム原子のイオン化過程e+He--->He^++e_1+e_2で生成される2個の放出電子e_1とe_2を2個の位置有感型検出器を用いる多次元コインシデンス法を用いて測定することである。本年度の研究実施計画としては、まず多次元コインシデンス法の確立のために、現在研究代表者の所属研究機関において研究分担者伊藤を含む共同研究として実施されている2次元検出器を用いた多次元コインシデンス計測システムの開発計画を完成させること、および2次元位置有感型検出器を新たに製作し既存の電子衝突実験装置(芝浦工大)に組み込むなど、本研究に使用する実験装置の建設に取り組むことであった。前者については、プログラマブル・ゲートアレイを含むハードウエアの設計を終え、試作基板の製作と平行してシステムコントロールと収集データをダイナミック表示するためのソフトウエアの開発を行った。現在システム全体の動作チェックとパフォーマンス評価のためのテストを実施中であり、目標としている仕様をほぼ満たす性能を達成できる見通しが立った。後者については、荷電結合容量バックギャモン法による2次元位置有感型検出器を、この種の2次元検出器を用いる実験を計画中のいくつかの研究グループと共に共同製作するなど、実験装置の設計およびそのコンピュータシミュレーションに着手した。次年度には計測システムを完成させると共に、実験装置の改造を行い、まずは一方の放出電子の検出角を固定して、もう一方の放出電子を2次元検出器を用いて検出するという条件でコインシデンス実験を開始する予定である。
|