1996 Fiscal Year Annual Research Report
電子励起によるガラス転移とその微細加工への応用に関する研究
Project/Area Number |
08650001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 啓司 北海道大学, 工学部, 教授 (20002313)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 雅史 北海道大学, 工学部, 助教授 (80239912)
|
Keywords | カルコゲナイドガラス / ガラス転移 / 微細加工 / 電子励起 / 光誘起現象 / ラマン散乱 / イオン伝導 / ガラス細工 |
Research Abstract |
ガラスを加熱すると水飴状に軟らかくなる「熱的ガラス転移」を起こすことは古くから知られていることであるが,本研究は我々が1995年に発見した「電子的ガラス転移」のメカニズムを明らかとし且つ応用を考えることを目的として開始したものである.電子励起の手段としては,光と電子線を用いている. 光励起に関しては,電子的ガラス転移が試料の温度を下げるほど大きくなるという驚くべき現象を発見した.また光照射で用いる光の波長が光呼吸端に相当するものであることから,光吸収端の特性解明を試みている.これについては,カルコゲナイドガラスの光吸収端の一定光電流法による測定を行い,光吸収端の特性を明らかとした.また共鳴ラマン錯乱を用いて光吸収端を担うミクロ構造を明らかとしつつある. 一方,電子線励起については,種々のカルコゲナイドガラスにおいて微細加工が可能であることを示した.たとえばAg-As-Sガラスでは,電子線の照射のみで(エッチング処理無しで)回析格子などを作ることが出来た.この理由は,電子線照射によってAgイオンが移動することによる.またAs_2S_3などでは,膨張と収縮が対になった変形が誘発されることを見いだした. 現在,光と電子線の照射の相違点を調べている.その結果,どちらも電子励起を促すという点に関しては同じであるが,詳細はかなり違っていることがわかってきた.その理由について,研究中である.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] K.Tanaka: "Electron beam induced reliefs in chalcogenidc glasses" Applied Physics Letters. 70・2. 261-263 (1997)
-
[Publications] N.Yoshida: "Direct fabrication of microrelief patterns by electron-beam exposure in Ag-As-S glasses" Applied Physics Letters. (印刷中). (1997)