1997 Fiscal Year Annual Research Report
スキーの回転運動のシミュレーションのための雪面抵抗力の測定実験と解析
Project/Area Number |
08650303
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Research Institution | Niigata College of Technology |
Principal Investigator |
多田 憲孝 新潟工業短期大学, 生産システム工学科, 助教授 (10236531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 陽一 中央大学, 理工学部, 教授 (40013669)
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Keywords | スポーツ工学 / スキー / 切削 / 氷 / 切削抵抗力 / 雪面抵抗力 |
Research Abstract |
アルペン・スキーのターンは求心力が働くため生じる.スキーのエッジを単に立てるだけでは,滑走速度と逆向きに作用する雪面との摩擦力のみで求心力は生じない.しかし,スキーの長軸を速度方向に対して傾けてエッジをたてると,滑走速度に垂直方向の雪面抵抗力が生まれ,求心力が発生する.雪面抵抗力の主要因は,柔らかい雪面を滑走する場合には,粉状あるいは粒状の雪がスキー底面に衝突する際に生じる抵抗力と考えられ,硬い雪面を滑走する場合はスキーのエッジが雪面を切削する際に生じる抵抗力と考えられる.本研究では切削による抵抗力を実験的に検証するために,氷の切削実験を行った.実験は-6℃の低温室にて,スキーのエッジに相当する板状のカッターを角付け角,迎え角だけ傾けて切削動力計に固定し,硬い滑走雪面に相当する氷試料をモータで移動させて切削した。切削したカッターは迎え角が30°,45°及び90°,角付け角が30°,45°及び60°の各組み合わせによる9種類を用いた.その結果,氷試料は雪粒を1〜2mmに大きさを揃え,0℃の水を注入し再凍結させて,マクロ的に異方性のない氷試料を用いた.次のことが明らかになった.1)切削厚さが大きい程切削抵抗力は大きい.2)単位切削幅当りの主分力は迎え角に依存しない.3)単位切削幅当りの垂直分力及び横分力は迎え角が小さい程大きい.4)横分力は迎え角が90°以下の時に生じ,迎え角が90°の時にはほぼ0となる.5)等しい切削厚さならば,角付け角が小さい程切削抵抗力は大きい.6)実験データを用いて重回帰分析を行い,切削抵抗力の経験式を作成した.
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