1997 Fiscal Year Annual Research Report
マクスウェルの方程式に基づく時間領域解析手法を用いた電磁界現象解明に関する研究
Project/Area Number |
08650416
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大宮 学 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30160625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 望 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50232236)
伊藤 精彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30001176)
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Keywords | FDTD法 / 電磁界解析 / マクスウェル方程式 / アンテナ / スロットアンテナ / キャビティ / 太陽発電衛星 |
Research Abstract |
本基盤研究においては,時間領域解析手法を適用することによって,アンテナ等放射素子に関する電磁界現象を明らかにし,アンテナに要求される寸法条件と所望の特性を満足する素子の設計手法を開発することを目的としている.さらに,時間領域解析法がアンテナ等の解析に有効であることを明らかにする.多機能アンテナ素子であるキャビティ付スロットアンテナを解析対象として検討を行い,以下に示す新しい知見を得た. 1.時間領域解析法(FDTD法)を用いたキャビティ付スロットアンテナの入力特性および放射指向特性の評価法を明らかにした.入力特性評価において同軸線路モデルを組み合せることを提案し,昨年度提案した時間窓を適用する手法に比較して6分の1から10分の1程度のデータ数で正確な特性推定が可能であることを明らかにした.また,放射指向特性の評価においては,絶対利得と放射指向特性形状解析手法を提案・確立した. 2.太陽発電衛星用送電アンテナ素子の仕様および寸法条件を満足するキャビティ付スロットアンテナの開発を行った.キャビティ内部背面に設置された単純な構造を有する給電素子を用い,キャビティを薄形化したときにも十分なアンテナ特性を実現できる送電アンテナ素子を開発した.インピーダンス整合を実現する給電方法として,終端短絡プローブ給電素子および逆F給電素子を提案した. 今後に残された課題として,アレーアンテナの素子間相互結合評価法およびビーム走査特性評価法の提案,ならびにアンテナ素子の薄形化に関する検討がある.
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[Publications] 日景 隆: "マイクロ波送電用キャビティ付スロットアンテナ" 電子情報通信学会技術研究報告. A・P97-67. 57-64 (1997)
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[Publications] 大宮 学: "キャビティ付スロットアンテナのFDTD解析" 1997年電子情報通信学会ソサイエティ大会. B-1-124. 124- (1997)
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[Publications] 大宮 学: "FDTD法を用いたキャビティ付スロットアンテナの放射指向特性に関する考察" 平成9年度電気関係学会北海道支部連合大会. 174. 207- (1997)
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[Publications] 日景 隆: "キャビティ付ワイドスロットアンテナに関する考察" 平成9年度電気関係学会北海道支部連合大会. 175. 208- (1997)
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[Publications] 日景 隆: "マイクロ波送電用キャビティ付きスロットアンテナの提案" 電子情報通信学会論文誌(B-II). J81-B-II(掲載予定). (1998)
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[Publications] 日景 隆: "フェーズドアレーアンテナのビーム走査特性に関するFDTD解析" 1998年電子情報通信学会総合大会. B-1-185(発表予定). (1998)