1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650489
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒木 光彦 京都大学, 工学研究科, 教授 (60026226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古谷 栄光 京都大学, 工学研究科, 助手 (40219118)
萩原 朋道 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70189463)
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Keywords | 制御系の解析と設計 / サンプル点間応答 / 周波数応答 / 周波数重み / 感度関数・相補感度関数 / ボード線図 / ロバスト安定解析 / 非線形解析 |
Research Abstract |
本研究は,ディジタル制御系の周波数領域における解析・設計手法としてすでに我々が基本的成果を得ているFRオペレータに基づく新しい理論をさらに発展させ,理論的観点からも実用的観点からも,より完成度の高いものとすることを目的としている.3年間の研究期間の初年度である本年度は,以下のような研究成果を得た. 1.FRオペレータに基づくボード線図描画アルゴリズムの導出とそのMATLAB上での実装 2.非線形ディジタル制御系の取り扱いのための基礎の構築 その詳細は概ね以下の通りである. 1.はFRオペレータの理論に基づき,(サンプル点間応答を考慮した意味での)ディジタル制御系のボード線図を描画する方法についての成果である.ボード線図は,実際的な諸問題を検討する上で,直観的な判断材料を与える基礎的な概念であるが,その描画に際しては,本質的に無限次元性を伴う厄介な計算が必要であった.本研究では,有限次元での計算によってその近似値(下界値・上界値)を得る方法を導くとともに,近似の次数を大きくすることで下界値と上界値が互いに漸近し,したがって所望の値が任意の精度で計算できることを明らかにしている.この方法に基づく数値計算アルゴリズムをMATLAB上に実装し,ボード線図が容易に描画できるようになったことで,実用性が高まった. 一方,2.は次年度以降の研究を行う上での理論的基盤を整備するための研究である.具体的には,非線形ディジタル制御系も対象として,ロバスト安定性やロバストパフォーマンスの問題を取り扱うための基礎固めを行い,サンプル点間応答を考慮したディジタル制御系におけるメイン・ループ定理とでも呼ぶべき成果を得た.
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Research Products
(1 results)