1997 Fiscal Year Annual Research Report
潜在き裂および欠陥を有する非均質材料の破壊に関する研究
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08650541
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Research Institution | TOKUYAMA COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
橋本 堅一 徳山工業高等専門学校, 土木建築工学科, 助教授 (00132647)
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Keywords | 非均質材料 / 破壊力学 / E-積分 / き裂干渉 / 空隙干渉 / き裂進展 / き裂折れ曲がり / 破壊靭性 |
Research Abstract |
本研究では筆者等が提案したエネルギ解放率をE積分によって計算する数値解析法を用いた数値解析法を中心にE積分法の優位な点などの証明も加えながら,実験も行い,潜在き裂や空隙などの材料欠陥が存在する材料の破壊について特に破壊き裂進展の立場から考察を加えていった.本研究で得られた結果を以下に簡単にまとめる. 1.岩石の示す異方性挙動が潜在き裂,空隙,鉱物粒の配向に起因することを着目して,変形に対する異方性が破壊き裂の進展に及ぼす影響について検討した.その結果,変形性の大きい方向に進みやすく,その方向に折れ曲がって進展すること等を数値解析的に捉えることができた. 2.き裂の干渉問題に関して,引張を受ける材料中にある片側き裂近傍に,それに平行な他のき裂が存在する場合を想定したモデルに対してその進展挙動を検討した.結果としては干渉き裂の位置の違いによって,各き裂先端の進展特性が大きく異なり,主き裂先端の進展を助長ないし抑制する位置関係,主き裂が進展せず,干渉き裂に飛び移り進展する位置関係を見出した。 3.空隙の干渉問題について,き裂から等距離の1つの空隙が円周方向に分布するモデルを考え,その空隙の位置関係によりき裂発生の起こり易さとそのき裂の進展方向を検討した.結果的には,空隙がき裂から等距離にあっても,き裂進展が助長される位置関係と抑制される位置関係が存在することが明らかになった.またこれらの傾向は空隙と主き裂の距離によって異なることもわかった. その他E積分とJ積分経路独立性についての理論的背景を詳しく議論し,それを数値解析的に証明した.また介在物の界面き裂についてもその進展挙動を数値的に検討した. 以上の結果は非均質材料内の破壊き裂の進展に対して今後,有用な資料となるものと考えられる.
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[Publications] 橋本堅一: "混合モード荷重下にある異方弾性体内き裂のエネルギ 解放率の数値解析" 材料. 46巻・8号. 976-980 (1997)
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[Publications] 橋本堅一: "空隙の干渉を受ける破壊き裂の進展挙動に関する研究" 破壊力学シンポジウム 論文集. 9巻. 162-166 (1997)
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[Publications] Ken-ichi HASHIMOTO: "Numerical Consideration of Path Independency for J-integral and E-integral" Research Reports of The Tokuyama College of Technology. No.21. 15-20 (1997)
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[Publications] 橋本堅一: "材料介在物の界面き裂の進展挙動に関する研究" 徳山高専研究紀要. 21号. 21-25 (1997)
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[Publications] Chikayoshi YATOMI: "On the energy reliase rate by the poth-independent E-integral and I-integral for guasi-static crack grouth" Theuretical studies on Fracture Mechanics in Japan. 87-98 (1998)
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[Publications] 橋本堅一: "き裂干渉問題におけるき裂進展挙動の基礎的研究" 構造工学論文集. (印刷中)44巻A. (1998)