1996 Fiscal Year Annual Research Report
土壌内の土粒子構造と保水機構の微視的解析に関する基礎的研究
Project/Area Number |
08650588
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
中尾 隆志 北見工業大学, 工学部, 助手 (60101523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 博 北見工業大学, 工学部, 助手 (20142797)
藤田 睦博 北海道大学, 工学部, 教授 (80001139)
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Keywords | 土壌水分 / サクション / 配位数 / 土壌構造 / 流出解析 |
Research Abstract |
土壌内の体積含水率とサクションの関係を理論的に求めるには土粒子1個当たりの他の粒子との接合数(配位数)と粒径分布の関係を明らかにしなければならない。これらの関係を明らかにするため、新たに落下法によるシミュレーションプログラムを開発し、上記の関係について幾つかの知見を得た。一方、著者らが検証用に選定している、富里ダム試験地の長期流出データより、融雪初期に周期的なうねりが認められる場合があり、この原因として、土壌水分に最も関係のある凍結深が寄与していると推定され、新たにコールドコンテントを考慮した融雪モデルとタンクモデルを併用した再現計算により融雪初期の流出特性と凍結深の関係を明らかにした。上記の結果を要約すると以下のようになる。 1.シミュレーション法による検討 一様分布の半径群からなる円の2次元ランダム充填を円の平均値を変化させ、シミュレーションを行った。 1)構成される円の平均値に関わらず、最大配位数に値は9〜12の間であった。 2)円の半径の平均値と平均配位数の関係では半径幅が非常に小さい場合を除き、ほぼ一定の値となる。 3)間隙率が約35%以下では平均配位数はほぼ一定の値となるがその後、間隙率の増加に伴い、平均配位数が減少する傾向が見られる。 4)最大配位数の取り得る円の半径の値は半径分布幅の7割〜9割に集中している。 2.現地試験地の融雪流出解析 1)融雪初期に見られる長期的なうねりは流域の大半を占める上、中流域において、下流域に比べ、早く生起した融雪水が凍結土層上を流下する表面流によるものである。 2)凍結層があまり発達していない場合は、上、中流域の初期の融雪流出は大部分浸透し、その浸透流が河道近傍部に集中してまとまった流出となる。
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