1996 Fiscal Year Annual Research Report
建築構造用FRP形材における板要素の局部座屈破壊性状
Project/Area Number |
08650668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山田 聖志 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50134028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関東 康祐 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60177764)
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Keywords | 連続繊維補強プラスチック / 箱形断面柱 / 座屈破壊 / 局部座屈 |
Research Abstract |
箱形断面形材について、Eガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂との複合材を対象として、以下の実験を実施した。試験体は60mm×60mm×4mm並びに100mm×100mm×5.5mmの正方形箱形断面材とした。試験体の材軸方向については、ロービング繊維材を採用した。板幅方向繊維は、コンチィニュアスストランドマット材(Nシリーズ)とチョップマット付きクロス材(Sシリーズ)の2種類である。 (1)帯板切出試験片の材料引張試験より以下の点が明らかになった。材軸方向の縦弾性係数はN、Sシリーズとも鋼材の約1/8程度である。Sシリーズのポアソン比は、Nのそれの約半分となる。伸び率1〜2%までは、ほぼ線形の応力歪関係が得られ、その後は脆性的に破断する。破断時の平均応力度は普通鋼材と同等である。 (2)帯板切出試験片の材料曲げ試験より以下の点が明らかになった。剛性の高い連続繊維が部材断面内の中心にあるため、曲げ弾性係数は縦弾性係数の1/2以下となる。板幅方向の弾性係数は、材軸方向のそれの約1/2である。板幅方向の曲げ強度も材軸方向のそれの約1/4と小さく、Sシリーズを採用することで、Nの約7割増しとすることができる。 (3)3点曲げ実験(5体)から、せん断弾性係数Gを同定する新しい手法を確立した。 (4)4点曲げ実験(5体)から梁材としての局部座屈破壊耐力は、Sシリーズの方がNより平均で27%上昇し、板幅方向の補強効果が確かめられた。 (5)軸方向圧縮実験(合計15体)から、柱材としての局部座屈破壊性状を明らかにした。(4)と同様、耐力はSの方が27%程度高くなった。板座屈モード計測結果と、単純な直交異方性板の座屈モードと良く一致し、10cm角試験体では、崩壊荷重は直交異方性板の弾性座屈理論値と良く対応することがわかった。
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Research Products
(1 results)