1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650833
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Research Institution | GUNMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 勲 群馬大学, 工学部, 教授 (40008511)
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Keywords | 新液相拡散接合法 / チタンクランド鋼板 / アルミ-スズ合金 / インサート金属 / 熱間圧延 / ピ-ル強度 |
Research Abstract |
平成5、6年度科学研究費の援助により「新液相拡散接合法によるセラミックスと金属の接合」の研究を行い、目的とした成果を得た。すなわち、セラミックスと金属の接合のさい、それらの熱膨張差に起因して発生する熱応力を緩和するために接合部に軟金属のAl-Sn合金をインサート材料として採用した。このことにより、Al合金の接合妨害因子である、Al合金表面の酸化皮膜の破壊に成功し、同時に接合部に点在残存するSnによって熱応力を緩和することにも成功した。今回、その成果を工業界に要望の高いチタンクラッド鋼板の作製への応用を試みた。 最初に、溶接構造用鋼(SM41B)とTi(99.5%)の間にAl-0.5Sn-1Mgを挟み、大気中での拡散接合を行った。試料形状は、前2者10×20×5mm、Al合金10×20×0.5mmであり、接合面10×20mmを9μmのダイヤモンド砥石で研磨・洗浄して接合した。接合条件として、加熱時間:3.6〜14.4ks,加圧力:2〜6MPa、処理温度:873Kとした。接合性をせん断破壊強度から判定した。最適の接合条件として、時間:3.6ks、加圧力:4MPaが得られた。このときのせん断破壊強度は、インサート材Al 0.5Sn 1Mgのせん断破壊強度にほぼ等しい約60MPaを示した。なお、接合部に約0.2mmのAl合金が残存した。以上、実験室規模ではチタンクラッド鋼板のより経済的な製作に成功した。 次に、チタンクラッド鋼板の大量生産を目的として、大気中圧延による製造を試みた。使用した鋼は、2mm厚の市販の軟鋼板(熱間圧延軟鋼板 1種 SPHC)とし、チタンは1mm厚とし、インサート金属として1mmのAl 0.5Sn 1Mg合金を使用した。接合面は10mm×30mmとした。圧延温度:873K、圧延速度:0.1m/s、パス回数1〜3回、圧下率:10〜60%とした。接合性をピ-ル強度(N/m)から判定した。良好なクラッド材は、圧下率60%で得られ、その時のピ-ル強度は61,100(N/m)であった。以上、チタンクラッド鋼板の大量生産の可能性を把握した。
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