1996 Fiscal Year Annual Research Report
表面光学定数マイクロマッピング法の開発と光誘起表面反応のその場観測への応用
Project/Area Number |
08650968
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬場 凉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70198951)
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Keywords | 表面 / 光学定数 / 光誘起表面反応 / マッピング法 / 光ヘテロダイン法 / 光触媒反応 / 反応活性領域 / 表面拡散 |
Research Abstract |
本研究は、表面光学定数分布のマイクロマッピングを行うための装置を開発し、実際に光触媒反応などの光誘起表面反応のその場観察に応用することを目指しており、そのために必要な理論的、実験的な基礎を固めることが目標である。研究初年度である本年度では、以下の点を重点的に検討した。 1、表面光学定数マイクロマッピング法開発のための理論的検討 本研究で開発を目的とする表面光学定数マイクロマッピング法では、ナノメートルスケールの表面光学定数分布をモニターすることが期待されるが、酸化チタン薄膜光触媒やモリブデン酸化物フォトクロミック薄膜などの光誘起その場反応に伴って比較的大きな光学定数分布が期待される具体的な系においてホログラフィックな手法を用いて、あらかじめどの程度の光学定数分布があるかを実験、シミュレーションを通して検討した。 2、表面光学定数マイクロマッピング測定装置の開発 上記のようにホログラフィックグレーティング法に基づく表面光学定数分布の測定はビームの掃引は不要であるが、本研究で目的とする手法では試料表面の2次元的情報を得るためにビ-トスキャン装置と光ヘテロダイン光学系とを組み立てる必要がる。本年度は、まず基礎データを蓄積するために中心周波数82MHzの光音響光学素子を用いて光学系を組み、走査系、光ビーム検出系の最適化のための検討を行った。 3、光誘起表面反応としての酸化チタン薄膜光触媒の機構解明 本研究で開発する表面光学定数マイクロマッピング法を具体的に応用する系として酸化チタン薄膜光触媒反応を検討するが、薄膜作製条件により活性に大きな差が生まれる理由について、SEMやXRD、FT-IR等の手法を使ってアルコールやアルデヒドの光触媒酸化をモデル反応としてμメートルスケールの表面構造と反応活性について検討した。
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