1998 Fiscal Year Annual Research Report
地下多相条件下のハイドロパルストモグラフィー技術の研究
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08651111
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
増本 清 島根大学, 総合理工学部, 講師 (00238916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
登坂 博行 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (90188748)
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Keywords | ハイドロパルストモグラフィー / 多相流動 / 逆解析 |
Research Abstract |
本年度は、数値解析的研究として主に逆解析結果の推定精度評価法に関する研究を行った。また、室内実験として2次元平板モデル(凝灰質砂岩)を用いた実験を行いそれに対する数値解析を行った。さらに、実フィールドデータを用いた2相流動逆解析を試みた。 計測データの質と量を評価し、さらに逆解析における各種設定条件の妥当性を評価することを目的として、逆解析結果の信頼性を定量的に表す方法として逆解析結果の推定精度を求める方法を開発し、簡単な数値実験(1次元単相モデル)を行い適用性を検討した。しかしながら2相流動問題に対しては、圧力変化率マッチングの適用上の課題等が残ったため、推定精度の検討は行わなかった。 室内実験では、空気単相(乾燥試料使用)状態における空気パルステストおよび、部分的に含水(同一試料に水を浸潤させる)させた状態における空気パルステストを行い、異なる圧力形態となることを確認した。また、各テストで得られた圧力データを用いて数値逆解析を試みた。その結果、開発した2相流動逆解析の有用性が示された。 フィールドデータとして浅部飽和領域におけるハイドロパルステスト(多点非定常クロスホールテスト)データを用いて2相流動逆解析を試み、単相逆解析との比較を行った。その結果、2相逆解析は実用的な計算量で圧力データを良くマッチングし、単相逆解析結果とは異なる物性分布が得られることが示された。 今後の課題として、2相流動逆解析においては単相逆解析で適用したウエルモデル等の扱いと2相特有の物性値(相対浸透率、毛管圧力等)についてさらに検討する必要性が示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 増本 清: "複数孔揚水試験データが持つ地盤不均質情報の定量評価" 日本地下水学会1998年秋季講演会講演要旨. 28-31 (1998)
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[Publications] 増本 清, 松田育子 他: "複数孔間の圧力干渉試験により得られる空間情報の推定精度評価の試み" 日本応用地質学会平成10年度研究発表会講演論文集. 309-312 (1998)
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[Publications] 増本清, 登坂博行, 小島圭二: "多点非定常圧力とその時間変化率の同時自動マッチングによる岩盤水理特性逆解析" 日本地下水学会誌. 40・3. 273-287 (1998)
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[Publications] 増本 清: "地下不飽和条件を考慮したハイドロパルストモグラフィによる水理特性逆解析" 日本応用地質学会平成9年度研究発表会講演論文集. 265-268 (1997)
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[Publications] 登坂博行, 増本清: "生産情報による油層キャラクタリゼーション-自動ヒストリーマッチングの可能性と課題" 石油技術協会誌. 62・6. 521-528 (1997)
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[Publications] 増本清, 登坂博行, 小島圭二: "ハイドロパルストモグラフィー技術による多孔質媒体不均質性の逆同定" 東京大学工学部総合試験所年報. 第55巻. 193-198 (1996)