1997 Fiscal Year Annual Research Report
国際時代における農業の技術開発・普及の在り方に関する研究
Project/Area Number |
08660269
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
加古 敏之 神戸大学, 農学部, 教授 (00121533)
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Keywords | 日本農業 / 技術進歩 / 試験研究 / 技術普及 / 研究課題 / 公立農業試験研究機関 / 国際化 / ニーズ |
Research Abstract |
農林水産省の農林水産技術会議や兵庫県をはじめ多数の県における農業研究機関を訪問し、研究課題の選定方法、予算配分方法、研究成果の評価方法、研究成果の普及方法等に関して聞き取り調査を実施した。また、研究員、農業改良普及員、農家を対象に、研究課題の選定方法、有償委託研究、研究成果の評価方法、試験研究機関と普及機関との連携の現状、研究成果の農業発展への貢献度等に関してアンケート調査を実施した。これまでの研究から以下の点が指摘できる。 1.県の試験研究機関における研究課題の設定方法に関して、多くの研究員は現在の方法は適切だと肯定的に回答しているが、過半数の普及員は研究課題の設定に農家,農業団体の意見があまり反映されていないと回答しており、研究員とは評価が異なっていることが明らかになった。農業改良普及員の多くは、研究課題の設定においてより一層生産現場の声を直接反映させるべきという意見を持っている。生産者や生産者団体から直接研究要望を受けるようなしくみを作ることの必要性が指摘された。 2.研究員と普及員の過半数は、試験研究活動と農林水産業の生産現場との連携はうまくいっていないと考えており、連携のあり方に改善の余地があることを示している。 3.農業研究機関の研究成果の生産現場への伝達ルートはあまりうまく機能していないと研究員と普及員の過半数が回答しており、技術・情報伝達ルートの改善の余地が大きいことがうかがえる。生産者、研究者、普及員が一体となった現地実証試験や、さらには研究機関での研究と現地試験とを並行して実施して、研究成果を円滑に普及する手法について検討する必要がある。多くの普及員と研究員は、現場密着型の試験研究が不十分であるので今後増加することを要望している。 4.研究成果の評価に関しては、県内農林水産業への貴献度という視点を重視するとともに、外部評価の導入も検計することが望ましい。 5.新技術の普及段階で発生した問題を試験研究機関で再度試験研究する「フィードバックシステム」を確立することが望ましい。
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